あの「築地銀だこ」の新上場で盛り上がる IPO市場の失敗しない攻略法とは?

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株価の上昇で盛り上がっているのがIPO市場。9月末には、誰もが知っているあの築地銀だこが上場する。ただ、公募で買おうと思っても、なかなか当選するものではない。そこで、今回は公募で買えなくても儲けられるIPOの攻略法を大公開。

バイオやIT関連の株だけでなく
シンプルなビジネスの株が続々と公開へ!

 街角のタコ焼き屋の株を買えるとしたら、アナタは買うだろうか?

 9月30日に新規上場(IPO)するホットランド(3196)は、あの「築地銀だこ」の運営会社。タコ焼き屋と侮るなかれ。97年に群馬県のスーパーの片隅から出発した銀だこは、素材へのこだわりや実演販売が人気を博し、今や405店舗、売上高は205億円に達する。

 ホットランドの上場が象徴するように、IPO市場が盛り上がっている。昨年から公募価格(上場前、抽選で当たった人に販売する価格)を大幅に上回る初値(上場後、初めて取引された株価)をつける株が続出しているから、投資家が注目しないわけがない。

 だが、盛り上がっているのは投資家だけではない。さまざまな業種の経営者がIPOをしようと狙っているのだ。

 実は06年のライブドアショック以降、新興市場が極度に低迷し、多くの企業がIPOを断念した。IPOをしたとしても、インターネット関連やバイオなど、目新しい業態の株しか株価が上がらず、メリットが少なかったからだ。

 その結果、IPO株というと事業内容がよく理解できない企業ばかりで、投資ビギナーには手が出しづらいイメージが強くなっていた。

 だが、今後はさまざまな業種、伝統的な業種からもIPO企業が出てくる予定。わかりやすいビジネスの株を買いたい人にもチャンス到来だ。

11社中5社の初値が公募価格の2倍以上に!
バブルに乗りたいのか成長株を買いたいのか?

 今年6月以降だけでも11社がIPOをして、そのうち5社は初値が公募価格の2倍以上になっている。上場した会社の業態もバラエティに富んでいる(表を参照)。

6月以降に初値が上昇したIPO株ベスト5!
公募
価格
初値・上昇率
・上場日
高値・安値 現在の株価、
PER,PBR
最新株価チャート
1 【会社名(コード)】 イグニス(3689)
1900円 8400円 高値:8720円 株価:5420円
2014年IPO株/イグニス(3689)の最新株価チャートはこちら
4.4倍 PER:116.5倍
7月15日 安値:5150円 PBR:88.82倍
【分析コメント】
スマホやタブレット端末向けアプリ開発。「創業4年目で企業として実績不足が心配」(岡村さん)。ガンホー・オンラインエンターテイメントやミクシィのように、「ゲームで一発当たれば株価が10倍」という夢は見られる。
2 【会社名(コード)】 フリークアウト(6094)
2000円 7000円 高値:8620円 株価:6260円
2014年IPO株/フリークアウト(6094)の最新株価チャートはこちら
3.5倍 PER:40562倍
6月24日 安値:5820円 PBR:18.97倍
【分析コメント】
インターネットの広告枠に、瞬時のオークションで広告を募集するシステムを開発・運営。米国では爆発的成長を遂げている市場で、国内でも大きな成長が見込める。ただし株価はすでに高成長を織り込み済み。
3 【会社名(コード)】 レアジョブ(6096)
1170円 3155円 高値:5420円 株価:2675円
2014年IPO株/レアジョブ(6096)の最新株価チャートはこちら
2.7倍 PER:56.4倍
6月27日 安値:2630円 PBR:12.51倍
【分析コメント】
フィリピンの現地人講師による、インターネット無料通話を利用した格安の英会話サービスを運営。既存の教室型から顧客を奪っているが、ITなどへ投資など負担も多く、前期は赤字。業績の安定みに欠ける点が気がかり。
5 【会社名(コード)】 メドピア(6095)
4000円 9250円 高値:1万円 株価:8270円
2014年IPO株/メドピア(6095)の最新株価チャートはこちら
2.3倍 PER:106.1倍
6月27日 安値:6600円 PBR:15.24倍
【分析コメント】
医師向け情報提供サイト運営。新興株投資に実績のあるレオスキャピタルが投資した点でも将来性は高そう。売上高は5億円程度と規模が小さ過ぎる点が気になるが、逆に成長余力があると捉えられるなら長期方針で。
5 【会社名(コード)】 鳥貴族(3193)
2800円 6180円 高値:9550円 株価:5810円
2014年IPO株/鳥貴族(3193)の最新株価チャートはこちら
2.2倍 PER:24.2倍
7月10日 安値:5650円 PBR:6.37倍
【分析コメント】
均一価格の居酒屋「鳥貴族」運営。知名度も高い居酒屋の勝ち組で2ケタ成長が続く。IPO直後の過熱感も消えPERも成長株として割高感がないレベル。シンプルな事業や自分の眼で会社を確認できる株を好む人に。
*単元はすべて100株、株価は9月5日終値

 フリークアウト(6094)はオークション形式のインターネット広告。画期的な手法で、市場としても爆発的な成長が見込まれているが、新しい参入者や新たな技術が生まれた際にはどうなるか未知数だ。一方で鳥貴族(3193)は格安居酒屋チェーン。タコ焼き同様に新鮮味のない業態だが、割安感を演出する均一料金メニューが人気を博し業績は右肩上がりだ。

 魅力的な企業のIPOが今後も期待されるが、IPO株を狙う場合、どのように買えばいいのか。最も儲けるチャンスが大きいのは公募で買うことだが、公募は抽選の高い倍率を突破しない限り買えない。何度も何度も応募したのに、一度も当たったことがないという人も多い。

 とはいえ、初値で買うのも避けるのが無難だ。IPO関連の著作もある有名ブロガーのJACKさんは「今はIPO市場に過熱感があるので、初値は高い価格になりがち。手を出さないほうがいい」とアドバイス。株式評論家の岡村友哉さんも「今はその日の値動きの激しい株にデイトレーダーが殺到して超短期売買をし、次の株へ移っていく動きが目立つ。IPO株の上場直後は値動きが激しく、デイトレーダーのおもちゃになる傾向がある」と警告する。

 表を見ると初値は公募価格を大きく上回るが、その後は下落する株がほとんど。つまり、本当の欲しい株なら、公募で当たらない限りはしばらく待って様子見をするのがよさそうなのだ。

 JACKさんも「IPO投資家は次のIPO銘柄を買うお金を作るために長期保有はせず、すぐに売る。それが下落する原因でもあります。本当に欲しい株だったら出来高が減って熱狂が終わったのを確認し、上昇トレンドに転じてから買えばいい」と言う。

 10月以降、リクルートなど大型かつ人気の企業のIPOが控えていて、IPOは一段と盛り上がり、IPO株に目移りすることもあるだろう。こういう時こそ、IPOのバブルに乗りたいのか、高成長が魅力な株に投資したいのか、投資目的を明確にすることが重要だ。