金価格は1オンス=1250〜1350ドルの幅での値動きが続いている。9月以降の金価格の動向と金投資のタイミングについてマーケット ストラテジィ インスティチュート代表取締役の亀井幸一郎氏が解説する。

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 9月以降、来年の中頃まで、アメリカを中心に金融政策の転換点を睨んで相場は荒れることになりそうだ。その数か月の間に、アメリカの利上げが先送りされることになれば金価格は上昇傾向を強め、株価も加速して上昇するだろう。

 金価格は、たとえば「利上げはそう簡単ではない」とFRB(米連邦準備理事会)のジャネット・イエレン議長が発言するだけで、3月のロシアによるクリミア併合の際につけた年初来高値1392.6ドルを超える可能性が出てくるだろう。もっとも、1500ドルのラインの突破はこの段階では難しいと思われる。

 ウクライナ情勢の緊迫化、パレスチナ自治区ガザでの戦闘など、世界同時多発的な地政学的リスクは、現在の金相場を語る上では「変数」の1つとなる。対ロシア制裁は欧米経済、ひいては世界経済の回復の阻害要因にもなる。

 単に「有事」では片付けられない問題であり、アメリカが利上げできるか否かに悪影響を及ぼしかねない材料にもなることに注意しておきたい。

 日本国内の金価格は、1グラム=4050〜4700円付近で推移していくとみている。当面の目途として、金が売られて下落した局面では、4150円以下(税抜き)は「買い」のチャンスと考える。

 一般的な心理としては有事の際などに下落してくると「もっと下がるはず」と思ってしまい、なかなか買いに踏み切れないかもしれない。しかし、金投資を考えているなら、そこはシンプルに4150円まで落ちてきたら購入を検討し、年始からの下値4100円割れで買いを入れていけばいいだろう。

 反対に、目先を考えるなら上昇局面において4400円以上は「売り」を検討する水準となる。金価格が上昇している時は様子見でもいいが、4500円を超えてくるような状況の時はいったん利益確定の売りで手放すのも1つの戦略だ。一本調子の上げにはなりにくいため、再び下がったところで買い戻すタイミングはあるだろう。もちろん、先行きを考えると、保有し続けるのが賢明な選択といえる。

 なお、金のドル建て価格が1200ドル付近まで下がった時は、為替相場次第だが、国内金価格は4050円割れ、4000円付近まで落ちてしまう可能性はある。 将来に備えて金を保有しておきたいと考えているなら、純金積立で少額の契約をしておき、金の下落局面で購入手数料がかからない「スポット購入」でまとめ買いをしたり、地金型金貨を買い増したりする作戦もよいだろう。

 金ETF(上場投資信託)も使い勝手がよく、小口から買える、コストが比較的安いなどの利点がある。機動的に売買できるのも魅力の1つだ。資金に余裕がある時に、金ETFでこまめに買っていくのはリスク分散の観点からも有効である。

※マネーポスト2014年秋号