美少女戦士役をスタントなしで演じる武田梨奈ちゃん。アイドルに扮するシーンでは新たな魅力も!

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美少女が瓦を頭突きで割るクレディセゾンのCMで、一躍、話題となった女優・武田梨奈。日本を代表するアクション女優として期待される彼女の主演最新作『少女は異世界で戦った −DANGER DOLLS−』が9月27日(土)より公開される。

演出を手がけるのは『デスノート』『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』などを手がけ、ヒロインを育てる手腕でも知られる金子修介監督だ。

舞台は2024年の日本。リアルワールドとパラレルに存在する、核も銃もないアナザーワールドで、謎の陰謀者から世界平和を守るために4人の美しき“ソードファイター”が立ち上がる――。

武田とともに戦う美少女戦士には、『ジェリー・フィッシュ』で女優デビューした元新体操選手の花井瑠美、園子温の『TOKYO TRIBE』でヒロインに抜擢された清野菜名、AKB48の初期メンバーで金子監督の『生贄のジレンマ』で芸能界に復帰した加弥乃という魅力的な個性派たちがそろった。

美少女たちが生身の体で挑んだアクションムービーの主役を熱演。空手黒帯2段の実力で引っ張った、武田梨奈ちゃんに作品の魅力を聞いた!

―華麗なる剣さばきに鮮やかな回し蹴り、カッコよかったです!

武田 ありがとうございます(笑)。以前、くのいち役で刀を持ったことはあったんですが、今回はそれにプロレス技や空手技などの派手な動きも加わって、これまでの日本映画になかったガールズアクションになっていると思います。

―かなり激しいシーンも多いですが、全員生身のアクションだとか?

武田 私は全てノースタントでアクションシーンを演じました。撮影1ヵ月前から練習を始めたんですが、それぞれ3人ずつアクションチームの方がついてくれて、自分の特技ややりたいことを話し合いながら一緒に作っていきました。

―4人の中で唯一のアクション経験者としては、どんなオーダーを?

武田 私は「スタントがやりたい!」(注:スタントとは映画における離れ技のような危険な演技を指す)って即答しました。「ほかの女優さんにはできない過激なこと、エグイことをやらせてください!」と。高いところから飛び降りたり、木に突進して落ちたり、顔面蹴られたりとか……ですね(苦笑)。

―激しすぎです(笑)! それで現場は生キズがたえなかったとか。

武田 でも、以前の作品では、腕を骨折したり脳震盪を起こしたりも多かったんですけど、今回はアザやすり傷くらいだったから。「ケガ全くないで〜す」って、ずっと言ってて。アザなんて飾りというか、むしろ“勲章”(笑)。

―さすが空手黒帯の精神力! 撮影もかなりタイトスケジュールだったようですが?

武田 10日間、合宿形式でみっちり。とにかく毎日が濃かったですね。今まで私が演じてきたアクションとは見せ方が違ったので、直前まで自信がなくて。「大丈夫だよ」って言われても心配で、夜、宿舎の会議室でひとりこっそり練習してたんです。そしたら、アクションチームの方がそれに気づいてつきあってくださって。差し入れまで買ってきてくれて……。翌朝4時起きだっていうのに本当にありがたかったですね。

―アクションの先輩としてほかの女優さんたちにアドバイスも?

武田 特に加弥乃ちゃんは全く経験がなくて、一緒に戦うシーンもあったのでよくふたりで練習しました。逆にアイドルシーンでは、元AKB48の彼女にいろいろ教えてもらって。

―そうそう、劇中のリアルワールドでは、4人はアイドルグループ「i.Dolls」なんですよね。歌って踊る梨奈ちゃんもとっても魅力的でした。

武田 ありがとうございます! 最初はアイドルなんて私とかけ離れてて、できない、どうしよう?って。でも、AKB48さんのようなピュアなかわいさというよりは、KARAや少女時代のようなカッコかわいい感じで、と監督に言われました。

―加弥乃ちゃんからはどんなアドバイスが?

武田 振り付けですね。ダンスは初めてだったので、振りは覚えられても、やっぱり動きが力強くなりすぎてしまって(笑)。アイドルっぽい角度とかを何度も教えてもらいました。

―フリフリのアイドル衣装もお似合いでしたが、戦闘服もなかなかにセクシーで。特に前半、胸のあたりに目が釘付けに……。

武田 最初はもう、そのあたりとかミニスカートが気になって気になってしかたなかったです。あの衣装のポスターだと「なんかアイドルがアクションやるんだね」って感じですよね? でも、本編を見たら“スカートひらり”なんて気にならない激しさなので、逆にそのギャップを見せられて良かったのかなと。

―そこが映画の大きな魅力でもありますね。他には監督からどんな演出が?

武田 実はあまりなかったんです。「カット、オッケー!」がずっと続いて。他の3人は以前も監督の作品に出たことがあって、和気あいあいとしゃべってるんですけど、私だけ初めてであまり話もできなくて。それで、すごく不安になって、監督に「本当に大丈夫ですか?」って聞いたら、「梨奈ちゃんらしいレイを作ってくれたから言うことないよ」って。それはもう、救われましたね。

 

■年下の女優さんたちにいじられてました

―女のコ4人の友情や恋愛も描かれていますが、現場はさぞかしにぎやかだった?

武田 ホントにワチャワチャしてました。みんなサバサバ系であまり気を使わない感じで良かったんですが、私は年下組によくいじられてました。清野菜名ちゃんに何かの会話の流れで「ゴリラ」って呼ばれたので、私がゴリラの物マネしたんですよ。そこから朝、顔を合わせるたびに「ゴリナ」って呼ばれるようになって。

―ゴ、ゴリナ?

武田 ゴリラと梨奈を合わせて「ゴリナ」。で、そう呼ばれたらゴリラのマネをしてあいさつする(笑)。

―か、かわいい……かも?

武田 いや、完全にぶっさいくな顔で……(実演中)。うふふふ、あははは!(爆笑)。

―しっかり者に見せつつ、そんなおちゃめな一面も(笑)。

武田 好きなことに関してはしっかりしてるって言われるんですけど、普段はへにゃへにゃ。オンとオフは激しいかも。今は仕事モードなのでしっかり見えるかもしれないけど、終わった途端……。

―空手CMから最近は映画にドラマに大活躍で、最近は意識も変わった?

武田 CMをきっかけに、こういうことをしてる女優がいるってのを知ってもらえたのは大きかったですね。バラエティなんかでも、初めてお会いする大先輩たちに「あのCMのコでしょ?」って言われることが多くて。

―あのインパクトは強烈でしたから!

武田 でも、知ってもらえただけじゃなくて、取材とかで「新しいアクションブームを起こしたい」って宣言してるので、その責任はちゃんととりたいと思ってます。志穂美悦子さん、千葉真一さん、真田広之さんとか、かつてはアクション映画を盛り上げた俳優さんがたくさんいらっしゃって。そういう方たちやジャッキー・チェン、ブルース・リーを見て、みんながヌンチャクを振り回した時代があったと思うんですよ。今はそうじゃないのがすごい嫌で、新しい時代を作りたいんです!

―頼もしいです! そんな強くてかわいい梨奈ちゃんに蹴られたい……なんて男子も多いらしいですよ(笑)。

武田 あはっ! でも、そう言ってくださる方が多いので、逆に蹴りあいしましょう!……とか?

―うわっ、男も鍛えておかなきゃ! では、そんな男子も多々いる週プレ読者にひとこと!

武田 プレイボーイさんには、かわいくてセクシーで私なんか及ばない女のコばっかり載ってますけど。あえてこういうヘンなコもいるって興味持ってもらえたら嬉しいですね。特に20代、30代の方は、女性アクション映画とかあまり流行ってなかった世代だと思うので是非観ていただきたいです。快感だし、絶対ハマってもらえると思います!

●武田梨奈(たけだ・りな)

1991年6月15日生まれ。神奈川県出身。身長157cm。10歳の頃、空手道場に入門。現在、空手歴13年目、黒帯。全国チャンピオン。“第1回ジャパンアクションアワード”では最優秀ベストアクション女優賞を受賞。2014年1月公開の「ヌイグルマーZ」他、今後も数々の出演映画公開が控える日本では数少ないアクションのできる女優

■『少女は異世界で戦った −DANGER DOLLS−』

9月27日(土)新宿バルト9ほか、全国順次公開予定

【http://www.shojo-isekai.com/】

(取材・文/週プレNEWS編集部 撮影/高橋定敬)