大企業を中心に約1600社にのぼる加盟企業を抱える日本経団連本部が、5年ぶりに自民党への献金呼びかけを再開する。自民党の金権政治が全盛だったバブル期(平成元年)の自民党本部への企業献金総額は約108億円に達した。それが民主党政権時代の2012年には約13億円まで激減している。

 安倍政権が経団連の献金再開をテコにかつての金満政党化を目指しているのは明らかだが、それは許されない。

 バブル末期、自民党政権はリクルート事件、東京佐川急便事件という疑獄にまみれ、経団連は献金斡旋を廃止、カネに困った政界では与野党あげて国民の税金負担による「政党交付金」(年間総額約320億円)の制度を導入(1994年)した経緯を忘れてはならない。

 自民党には今年、政党交付金の半分、157億円の税金が与えられ、20年間に受け取った累計はなんと約2869億円にのぼる。それだけの税金を直接交付されながら、企業献金を復活させれば、かつてない金権政治が生まれる。

 政治資金研究の第一人者、岩井奉信・日本大学法学部教授が指摘する。

「この献金再開は、財界が安倍政権に恫喝されてみかじめ料を払うことにしたのだと見ています。

 安倍首相は当初、経団連よりITベンチャー企業の団体の新経済連盟を重視する姿勢をみせ、経団連幹部を経済財政諮問会議のメンバーから外して脅しをかけた。経団連側はそれに慌てて献金再開に動いた。

 自民党は借金を抱えているから献金が欲しいし、財界企業も法人減税が実現すれば、本来払わなければならなかった税金の一部を献金すればいいだけだから困らない。しかし、自民党は政党交付金をもらっているのだから、政治資金の二重取りはおかしい」

 経団連献金を受けるなら、政党交付金は返還すべきだ。

※週刊ポスト2014年10月3日号