笑顔も充実ぶりを物語る川澄。八面六臂の活躍を見せるアタッカーは、まさしく連覇への原動力だ。 (C) SOCCER DIGEST

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 グループ首位通過を決めたチャイニーズ・タイペイ戦の翌日、9月23日に、川澄奈穂美が29回目の誕生日を迎えた。
「朝、起きたら、『ハッピーバースデー』と書かれたボードが飾ってあって」と、同部屋の宮間あやと有吉佐織が用意したサプライズに頬を緩める。
 
 この日の練習後にはチームの集合写真の撮影があり、撮り終った瞬間、ミネラルウォーターを振りかける手荒い祝福を察知して、素早く仲間から遠ざかる。
「もう、何年もやっているので(笑)。海堀(あゆみ)が水を配っているときに『こいつはやるな』と思っていました(笑)」
 
 代表の大会期間中に誕生日を迎えるのは初めてで、「選手として非常に嬉しいこと」と言う。20代最後となる年齢については「自分のなかではあまり変わらない。まあ、今日なったばかりなので」と特別な想いはまだ湧いてきていないようだが、「これからの1年、新たな発見や成長があったりするのではないかと思っています。そういう年にしたいし、努力していきたい」と抱負を語っている。
 
 前日のチャイニーズ・タイペイ戦では、1得点・1アシストの活躍でチームの勝利に貢献し、グループ首位へと導く原動力となった。クロスを吉良知夏に合わせてチーム2点目を演出し、終了5分前にはセットプレーのこぼれ球を拾い、ゴール前を固める人垣を超えるループシュートを決めてみせた。
 
「あんなシュートも持っているんだね(笑)。ドカーンと蹴っていたら、たぶん人に当たっていたと思う。そういう意味では良い判断だった。技ありですよ」
 鮮やかなループを手放しで絶賛した佐々木則夫監督は、年齢をひとつ重ねた頼れるアタッカーのパフォーマンスについて、「昨日(チャイニーズ・タイペイ戦)が一番良かった」と評価し、決勝トーナメントでのさらなる活躍を期待する。
「経験が力になって、余裕も出てきたのでしょう。ただ、もっとアグレッシブなプレーも多く見せてほしい。ちょっと引いて、受けて、ゲームメイクができるのは分かった。だから、もう少し仕掛けてほしいというか、これからシビアな戦いになってくるなかで、そうした部分は出てくるはずだし、そうなればさらに彼女の存在感も増すと思います」
 
 グループリーグでは3試合で3ゴールを奪い、アシストも冴えわたる。巧みに周囲を活かしながら、ディフェンスにも決して手を抜かない。攻守両面で精力的に、欲張りにプレーする川澄は、大会連覇への文字通りの原動力だ。
 
取材・文:広島由寛(週刊サッカーダイジェスト)
 
【なでしこジャパン アジア大会日程・結果】
9月15日(月)中国戦/0-0
9月18日(木)ヨルダン戦/12-0
9月22日(月)チャイニーズ・タイペイ戦/3-0
9月26日(金)準々決勝
9月29日(月)準決勝
10月1日(水)決勝/3位決定戦