光の力で記憶を塗り替えることが成功―米研究

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映画Men in Blackでは、トミー・リー・ジョーンズやウィル・スミス演じるエージェントが、光を当てることによって人の記憶を塗り替えることが可能でした。しかしこれが、いずれ現実でも起こることになるかも知れません。

マサチューセッツ工科大学の研究チームは、マウスを使った実験で、光を用いて記憶を塗り替えることに成功しました。同大学の研究者たちは、記憶と感情とが繋がる脳の経路を発見し、あるひとつの記憶が恐怖や幸福感、興奮などを起こす仕組みを明らかにしました。

そして、それらのポジティブまたはネガティブな感情を逆転させられるともいいます。

同研究に関わる利根川進博士は、この研究により「将来、人々が悪いことよりも、良いことの方を強く記憶していられるような手法を発展させられるかも知れない」と語っています。

実験では、オスのマウスのグループに対して電気ショックで「恐怖」の記憶を植え付け、また別のマウスのグループにはメスと一緒のケージに入れて「報酬」の記憶を持たせました。その上で、それらの記憶が作られる過程のマウスの脳にある、感情を司る海馬や扁桃体という部分の神経細胞について観察しました。

そして光の信号によって同じ神経細胞を刺激したところ、マウスが恐怖または幸福感に基く行動を取ることが観察されました。

研究者たちは、それらのマウスに、光の周波数を変えて神経細胞を刺激しました。すると、恐怖の記憶を持っていたマウスは恐れた行動を見せなくなりました。一方、報酬の記憶を持っていたマウスは逆に、恐怖感に影響されたような行動を見せ始めたとのことです。

つまり、見せられた光の周波数により、それぞれのマウスの記憶が入れ替わってしまったことになります。

研究者たちは、今後こうした研究の発展により、精神的なトラウマを持つ人々や、鬱病などの精神疾患に悩む人々を救うことを期待しています。

Scientists manage to REVERSE bad memories by blasting brain cells with light http://www.dailymail.co.uk/health/article-2735829/Scientists-manage-REVERSE-bad-memories-blasting-brain-cells-light.html