宇宙博2014:JAXAエリア後半は宇宙開発と惑星探査史。ISS「きぼう」日本実験棟モデルなどを展示

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今月23日まで幕張メッセで開催中の宇宙博2014。この3連休が会期の最後です。

会場にはNASAとJAXAの全面協力で実現した貴重な展示が数多くあり、JAXAエリアの後半には国際宇宙ステーションISS「きぼう」日本実験棟、小惑星探査機「はやぶさ」の実物大レプリカ、はやぶさが持ち帰った小惑星イトカワの微粒子サンプルの実物などが表示されています。また、国立天文台、国立極地研究所の活動も紹介しています。

今回はJAXAエリアからISS「きぼう」日本実験棟実物大レプリカの詳細や小惑星探査船「はやぶさ」から見る惑星探査、彗星探査の内容をご紹介します。

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国際宇宙ステーション(ISS)日本実験棟「きぼう」から、日本の宇宙科学への取り組みと世界の宇宙開発動向を学ぶ



宇宙博展示会場でNASAエリアを抜けると、きぼうの実物大モデルが見えてきます。国際宇宙ステーション(ISS:International Space Station)は日本、米国、ロシア、カナダ、欧州宇宙機関が共同運営する国際的宇宙科学研究の拠点。1999年に組立を開始後計画中断を経て2011年7月に完成し、現在は巨大な有人施設として主に地球と宇宙の観測、宇宙環境を利用した研究や実験が行われています。

「きぼう」はISSの1つのセクションで日本が開発する実験棟。 2008年3月から建設が始まり2009年7月に完成しました。内部が見えるように展示されているのはそのうち全長11.2m、直径4.4mの船内実験室です。階段を上がって足を踏み入れるとアクリルパネルに囲まれた機器類が天井から床まで全て見渡せます。

この実験室では宇宙放射線や微笑重力環境などを利用した科学実験を実施。この実験で重力に依存しない新薬の開発研究や宇宙環境の測定、地球地表観測による新発見などの成果が期待されています。

会場にはISSの居住モジュールから、寝室とトイレの実物大モデルも展示されています。限られたスペースと無重力空間でもなるべく快適に過ごせるよう、工夫されていることが分かります。

ISSにおける日本の活動とスペースシャトル退役の影響:日本人初のISSコマンダー誕生


ISSは機材や人員補充を米航空宇宙局(NASA)が所有するスペースシャトルで行う前提で設計されていましたが、相次ぐスペースシャトルの事故で計画の見直しを余儀なくされました。2005年事故後初めて打ち上げが再開されたスペースシャトル・ディスカバリー号でISS組立再開ミッション「ミッション/LF-1」を実施。その際日本から野口聡一宇宙飛行士が加わり、日本人として初めてISSで船外活動を成功させました。



その後、土井宇宙飛行士、星出宇宙飛行士、若田宇宙飛行士が2008年から2009年にかけ滞在してきぼう実験棟は完成。2012年まで3人の宇宙飛行士が滞在、実験を行いました。2013年11月には再度若田宇宙飛行士が第2回目のISS長期滞在ミッションに参加。滞在後半でISSコマンダー(船長)へ就任して2014年5月14日、ソユーズ宇宙船で半年ぶりに中央アジア・カザフスタンに帰還しました。

日本の月・惑星・彗星探査:太陽系の惑星から彗星・小惑星の調査に挑戦。欧州宇宙機関との協働プロジェクトも進行中



火星探査機「のぞみ」(エンジニアリングモデル)

米ソの宇宙開発競争が始まり、1960年代に入ると地球周辺の惑星である月や土星、金星などに探査機を送り込む動きが活発になりました。日本も1990年1月24日、文部省宇宙科学研究所(現JAXA)が月探査機の軌道投入実験などを想定した工学実験衛星「ひてん」を打ち上げて以来、月、火星、金星へ向けて探査機を送り、惑星探査の挑戦を続けています。

(ベピコロンボ水星磁気圏観測探査機「MMO」構造モデル)

また、現在は欧州宇宙機関(ESA)と共同でBepiColombo水星探査計画(国際共同水星探査計画「ベピコロンボ」)を進めており、2016年に日本とESAの衛星探査機2機を合わせて打ち上げる予定です。

太陽系の誕生を紐解く彗星・小惑星探査:小惑星「イトカワ」から収集したサンプル実物や探査機「はやぶさ」の実物大モデルなどを展示



太陽系の誕生や進化はまだ謎に包まれている部分があり、その解明を進めるために彗星・小惑星の探査をおこなっています。彗星・小惑星は太陽系誕生の時の様子をそのまま残している物が多く、それを探査、分析することが太陽系誕生の謎解明のキーと考えられています。

2003年、JAXAは小惑星探査機「はやぶさ」を小惑星「イトカワ」へ向けて打ち上げ、2005年9月12日イトカワに到着。世界で初めて小惑星のサンプル採取に成功しました。はやぶさはその後2010年にイトカワの微粒子を入れた再突入カプセルを放出してから大気圏へ再突入しその役目を終えています。

日本独自の調査と他国との共同プロジェクトを推進し、これからも続く宇宙開発



(月面探査ロボット研究モデル)

宇宙博の会期中もJAXAでは新しい宇宙開発プロジェクトが進行しています。特に大きなニュースは、H-IIAロケット25号機による静止気象衛星ひまわり8号の打上げが決定したこと。打ち上げ予定は来月10月7日、場所はJAXA種子島宇宙センター大型ロケット発射場です。また、2014年度には小惑星探査機はやぶさ2の打ち上げも予定しています。

新しい衛星や探査機は宇宙の謎を解き明かし、観察する貴重なデータやサンプルを地球へ運んでくれる存在になる可能性を秘めています。

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