イラク戦では、キレのあるドリブル突破を見せた山中。悔しさを次戦にぶつけたい。(C) SOCCER DIGEST

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 イラク戦から一夜明け、山中亮輔は「宿敵」に敗れた悔しさを次のように語った。
「オリンピックの予選で当たったら嫌だなとか、そういう苦手意識を持ちたくないんで、昨日は勝っておきたかった。また勝てなかったと思っている自分もいるんですけど、ホント、まだグループリーグでよかったと思うしかない」
 
 この世代はイラク相手にこれで3連敗を喫したことになる。2年前のU-19アジア選手権の準々決勝、今年1月のU-22アジア選手権の準々決勝、そして今回の対戦だ。この3試合すべてのピッチに立っているのは山中亮輔と矢島慎也のふたりだけだ。
 
「また勝てなかった」と山中がネガティブな気持ちになってしまうのも致し方ないかもしれないが、ただ、手応えがなかったわけではない。
 
「前回の対戦では、個人的に守備しかしていない印象だった。ずっと相手にボールを支配されている状況だったけど、昨日の試合では自分たちがしっかりボールを握って、サッカーができていた。そこは評価してもいいのかな、と」
 
 山中自身、左SBとして攻守に好パフォーマンスを披露してみせた。
「自分が前に引っ張れば、14番(相手の右サイドのアタッカー)もついてきていたし、自分の攻撃力で14番を守備に回すことができればいいなと思っていた。そこは上手くできたはずだし、守備でもそこまでやられた感じはしていない。そこは自信を持ちたい」
 
 前半の途中には、FKのキッカーとして直接ゴールを狙った。残念ながら枠を大きく外れたが、思い切りのあるシュートだった。
「キックはけっこう自信があるほうだし、1本狙ってもいいかなと思って。(原川)力と話しながら、自分が狙いました」
 
 72分には、奇しくも山中と同じ背番号6を背負い、左利きという共通点もあるイラクのカリムに、勝負を決定づける強烈なFKを目の前で決められてしまった。
「6番が蹴っている時は、ほぼ枠にいっていた。そういう意味では、自分より可能性があったし、精度がすごく高いと思って見ていました」
 
 FKのキッカーとして見習う部分があると同時に、「ああいうキッカーがいる以上、次回からは危険な位置でファウルしてはいけないことも分かった。厳しくも、慎重にプレーしていきたい」と、この3失点目をディフェンス面の反省材料としていた。
 
 現在のU-21日本代表には、原川や野津田岳人といった優れたキッカーがいるが、パンチ力のあるキックが持ち味の山中には、そこに割って入る資格があるだろう。
「特別、自分がキッカーというわけではないですけど、狙える位置があればどんどん狙っていきたいし、遠慮せずにやっていけたらいい。それに、このチームには背の高い選手が多い。簡単に上げたとしても、得点につながるチャンスはたくさんあると思う。そこは臨機応変にやっていきたい」
 
 チームとして「飛び道具」は多ければ多いほどいい。FKに限らず、強烈なミドルも相手の脅威になるはずだ。手倉森ジャパンの新たな武器として可能性を秘める山中のキックに注目したい。
 
取材・文:広島由寛(週刊サッカーダイジェスト)