iPhone 6 PlusはライバルXperia Z3、GALAXY Note 4を超えられるのか

写真拡大

アップル初となる5.5インチ大画面のiPhone 6 Plus。日本で圧倒的なシェアを誇るアップルだが、初の5.5インチモデルのiPhone 6 Plusは圧倒的な力をみせられるのだろうか。

大画面の5インチ超のスマートフォン市場を開拓したのはAndroidスマートフォンだ。このカテゴリ(ファブレット)では、すでにAndroid機種が先行してシェアを確立している。また現時点での2強ともいえる人気のソニーXperia Z3、サムスンGALAXY Note 4は、新製品をiPhone 6 Plusとほぼ同時期に発表してきている。

先行するAndroid機種の優位性は大きそうだが、初参戦となるiPhone 6 Plusは、どの程度、これらの人気機種と渡り合えるのだろうか。

iPhone 6 Plus(5.5インチ)
高さ:158.1mm
幅:77.8mm
厚さ:7.1mm
重量:172g
バッテリー:非公開
解像度:1920×1080
CPU:A8
カラー:3色(シルバー、ゴールド、スペースグレイ)
容量:16GB、64GB、128GB
カメラ:8メガピクセルiSightカメラ(光学式手ブレ補正)
ビデオ:1080p HDビデオ撮影(30fps、60fps)
防水防塵:非対応

Xperia Z3(5.2インチ)
高さ:146.5mm
幅:72mm
厚さ:7.3mm
重量:152g
バッテリー:3100mAh
解像度:1920×1080 Full-HD
CPU:Qualcomm Snapdragon 801 (MSM8974AC) Quad-core 2.4GHz
カラー:4色(ブラック、ホワイト、カッパー、シルバーグリーン)
容量:16GB(MicroSD最大128GB対応)
カメラ:20.7メガピクセル (Exmor RS G-lens採用)
ビデオ:4K (3840×2160) 動画撮影対応
防水防塵:対応
その他: ハイレゾ音源、DLNA、PlayStation 4 リモート、PlayStation Certified 対応

GALAXY Note 4(5.7インチ)
高さ:153.5mm
幅:78.6mm
厚さ:8.5mm
重量:176g
バッテリー:3220mAh
解像度:2560×1440 2K (WQHD)
CPU:Quad-core processor 2.7GHz、Octa-core processor 1.9GHz
カラー:4色(チャコールブラック、フロストホワイト、ブロンズゴールド、ブロッサムピンク)
容量:32GB(MicroSD最大64GB対応)
カメラ:16メガピクセル(背面 CMOS Smart OIS)
ビデオ:4K (3840×2160) 動画撮影対応
防水防塵:非対応
その他: ハイレゾ音源対応、タッチペン(スタイラス)付属

スペックだけを見れば、iPhone 6 Plusがほかの2機種より突出しているポイントはあまり多くない。

iPhone 6 Plusの大きな魅力は世界中で使える通信環境の対応
iPhone 6 Plusが2機種に勝っている大きな点、それは幅広い通信帯域に対応している点だ。
GSM/EDGE、UMTS/HSPA+、VoLTEなど、世界各国の多くの通信方式と周波数帯に対応している。日本国内であれば、日本の3台キャリアが提供するLTEサービスの周波数帯はもちろん、ドコモのVoLTEやKDDIのCA(キャリアアグリケーション)、UQコミュニケーションズのWiMAX 2+、ソフトバンク(傘下のワイヤレスシティプランニング)のAXGPにも対応している。
日本国内だけでなく。世界中の国で、同一機種で通信が可能となる基本性能を有していることは、非常に優れた点といえるだろう。

iPhone 6 Plusで残念なのは、AV性能
カメラの性能がイマイチなのは、歴代モデル同様だ。
iPhone 6 Plusのカメラは8メガピクセル。Xperia Z3の20.7メガピクセル、GALAXY Note 4の16メガピクセルと比べるとやはり見劣りする。画素数が全てとは言わないが、デジタルカメラに取ってかわりつつあるスマートフォンのカメラ性能としては、少々物足りないというのは正直なところだろう。
また、音楽再生面でも、Android機種がいち早くハイレゾ音源に対応してきている点と比べても、先進性でやや物足りなさは感じるところだ。

●大型化をメリットに変える独自機能
搭載するOSが違う製品の操作性や動作を比べることは、あまり意味は無い。それより「大型化」をメリットにするための機能が搭載されているかどうかがポイントとなるだろう。
まず、GALAXY Note 4だ。GALAXY Note 4にはペン操作とペン入力という特徴がある。本体に収納できる専用タッチペンは非常に便利な特徴でもある。

Xperia Z3は、ベゼルを狭くし、厚さも0.9ミリ薄くするなど大画面ながら本体サイズのスリム化を向上させている。また、IP65/68相当の高い防水・防塵性能を搭載することで、急な雨や水回りなどの利用シーンでも、慌ててバックにしまい込むなどしなくてもすむ。利用シーンを選ばずに安心して使えるのは大きなメリットだろう。

一方、iPhone 6 Plusは、ホーム画面を2度押しすると画面全体が下がって大画面でも片手操作が可能となる「Reachability」を搭載することで大型化でも操作性を落とさない工夫をしている。
初めての大画面・大型化に対してある程度工夫はしているiPhone 6 Plusだが、GALAXY Note 4のペン機能やXperia Z3の防水機能などに比べると、まだ大きな画面と本体サイズを十分に活かす特長や機能を提供できていると言えるまでにはいたたっていない印象だ。先行するAndroid機種ほどは特化された機能はないが、iPhoneユーザーにとって大画面でiOS8とアプリを利用できるという点が、これまでにない現時点の大きなメリットとなるのかもしれない。

今後もスマートフォンの大画面化は止まらないだろう。その意味では、iPhone 6 Plusで大画面市場に対応したことは、新たなiPhoneらしさへのチャレンジともいえるだろう。


甲斐寿憲