世界的な株高潮流の一方で、いまだ年初来高値を更新できずにいる日本株だが、今後はどう推移していくのだろうか。海外投資のカリスマとして知られるグローバルリンクアドバイザーズ代表取締役・戸松信博氏が解説する。

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 米国株を中心に世界的な株高となっている。欧州ではECB(欧州中央銀行)が6月に金利引き下げと同時にマイナス金利の導入を発表し、さらなる金融緩和に踏み込んだ。米国では雇用者総数がリーマン・ショック前の水準をすでに上回っており、毎月の就業者数も7月時点で6か月連続の前月比20万人超の大幅増を達成。企業の景況感や住宅市況を見ても米国経済の回復ぶりは顕著となっており、それらを背景に欧米市場の株高が続いている格好だ。

 本来なら日本株も連れ高となってもおかしくないところだが、まだそうはなっていない。というのも、中東やウクライナ情勢の緊張が高まるなか、海外投資家はより安全性の高い資産として米国債をはじめとした先進国の債券に資金を集中。中国でも米国債買いが進み、一時的に米国の金利が下がったためだ。

 ドル円相場と日米金利差には相関関係がある。米国の金利が下がって日米の金利差が縮小すれば、為替は円安に進みにくい。そのため日本株も上がりにくい状況にあったのだ。

 しかし、米国の金利低下はいつまでも続くものではない。米国はテーパリング(金融緩和縮小)を進めており、10月にも終了すると見られている。さらに年末のクリスマス商戦が好調に推移し、米景気の回復が鮮明になると、いよいよ来年にもFRB(米連邦準備制度理事会)の利上げが視野に入ってくる。

 中長期的に日米金利差は拡大傾向にあり、日本で異次元金融緩和が続くなか、米国が利上げともなれば、金利差はさらに拡大し、円安に振れるのは必至の情勢といえる。

 テーパリングの終了後、早ければ来年前半にも見込まれる米利上げを見越して、年末までには1ドル=110円台の円安が予想される。そうなれば、日本株もようやく世界の株高潮流に追いつくに違いない。

 日経平均株価でいえば、9月くらいまでは1万5000円を割り込むような展開となるかもしれないが、10月以降、回復基調に転じ、年末にかけて1万6000〜1万7000円まで上昇すると見る。そんな強い値動きが少なくとも来年前半までは続くと予想する。

※マネーポスト2014年秋号