クウェートとの初戦では鮮やかな先制点を決め、チームを4-1の快勝に導いた。キャプテンの重責も担う大島が、打倒イラクへ闘志を燃やしている。 (C) SOCCER DIGEST

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 アジア大会グループリーグの大一番、宿敵イラクとの一戦(現地時間9月17日20時キックオフ)を前に、キャプテンの大島僚太はチームの雰囲気をこう見ている。
 
「すでに1勝しているからといって、みんな勘違いもしていないと思います。逆に、このタイミングでイラクと戦えるのは、気が引き締まっていいことなのかな、と」
 
 4-1で快勝したクウェートとの初戦はいわばリセットして、「ここでもう一回、ちゃんと」という表現で、大島はイラク戦への意気込みを語った。
 
 重要な意味を持つ試合であることは十分に理解している。「決勝トーナメントに行く前のひとつの試合」としながらも、
「ここで勝ってこそ、本当に、チームとしてもより良い方向に行くのかなと思います」
 と、言葉に力を込める。
 
 キャプテンという立場にはまだ慣れていないと言いながら、言葉の端々にチームのことを考えるリーダーとしての顔が覗く。
 
 手倉森誠監督はなぜ、大島をキャプテンに任命したのか。
「この世代の一番上で、クラブではレギュラークラス。フロンターレを引っ張っている。この世代でも引っ張っていくという覚悟、自覚を持ってもらいたい」
 
 大島は決して口数の多いタイプではないが、自分になにが求められているのか、どう振る舞うべきか、それは理解している。指揮官の言う覚悟と自覚が芽生えているのは間違いない。
 
 イラクとの対戦で思い出されるのは、2年前のU-19アジア選手権だ。翌年のU-20ワールドカップの出場権を懸けた準々決勝、先制された日本は一度は同点に追いつくも、結局1-2で敗れ去った。この試合に大島は先発フル出場した。
 
「強かったイメージはありますけど、そんなに覚えていない。なんかもう、悔しかったという記憶はありますけど」
 
 そのイラク戦で、矢島慎也が決めた同点弾をアシストしたのが大島だった。最終ラインからテンポよくパスをつなぎながら、オフ・ザ・ボールで駆け上がった大島は、最後は混戦のなか、落ち着いて矢島にアシストした。
 
 今大会の初戦のクウェート戦でも、大島はタイミングよくゴール前に走り込み、原川力の浮き球のパスを引き出して先制ゴールを挙げた。
「自分でもよく覚えていないけど、走り始めた時、(スペースが)空いているなと思って」
 
 中盤のプレーメーカーとして高いセンスを発揮しながら、2列目(あるいは3列目)から機を見てゴール前に駆け上がり、フィニッシュに絡むのが大島の特長だ。
「どの相手と戦ってもそこは大事だと思います。タイミングがあれば狙っていきたい」
 
 今年1月のU-22アジア選手権でも日本はイラクと対戦し、0-1で惜敗している。この試合に大島は出ていない。メンバーに選ばれながら、怪我のため辞退を余儀なくされたからだ。それでも、「2連敗」を喫したイラクに対する悔しさを、大島も胸に刻み込んでいる。
 
「しっかり臨みたい」
 すべてを言い表わすように、この言葉が力強く響いた。
 
取材・文:広島由寛(週刊サッカーダイジェスト)