泡盛を「ハイサワー レモン」で割った「島ハイサワー」

スーパームーンが輝く、9月9日のロマンチックな夜。東京都庁の第一庁舎の最上階・45階の南展望室で、沖縄県酒造組合公認の泡盛愛好家団体「東京泡盛会」による、第1回「都庁で泡盛フェス」が開催された。沖縄県の17もの蔵元がブースを出し、各ブースでは定番から貴重な古酒までが飲み放題でふるまわれ、約200人の泡盛好きが集う飲んだくれ会場へと変貌! 泡盛の良さをPRする“泡盛の女王”の登場や、三線を片手に沖縄本島の民謡を歌う歌手・伊藤淳さんによる生ライブも行われ、大きな盛り上がりを見せた。

かなり広々とした高級感漂う会場

参加者はかなりディープに泡盛を愛する男性たち

会場へ到着すると、大きなガラス窓から新宿のきらびやかな夜景が広がり、ゴージャスな雰囲気にびっくり。「沖縄」「泡盛」というキーワードから、てっきり代々木公園で行われるアジア系フェスのようなゆる〜っとした空気かと思いきや、都庁効果なのか、意外とおハイソな空気が漂う。どんな人たちが参加していたのかと言うと、なにやらお金持ちそうな、30〜50代ぐらいの男性サラリーマンの姿が目立つ。

そんな参加者たちに話を聞いてみると、泡盛を扱う居酒屋オーナーや、沖縄まで泡盛の蔵元へと何度も足を運ぶ泡盛ファンなど、かなりディープに泡盛を愛する“ガチ”の方々が多い。蔵元のブースで試し飲みしようとすると、蔵元の担当者よりも先に「これはね、甕(かめ)で貯蔵した泡盛だから、1本1本味が違うんだよ」「甕はね、1つひとつ手づくりだから、甕の微妙な厚みや形で味が変わる。これとこれ、同じようなパッケージだけど、全部味が違うから、飲み比べてみなよ」と、次々に詳しい人がやって来て、懇切丁寧に指導が入る(笑)。

今回のイベントの主催である「東京泡盛会」は、今年4月頃に発足した泡盛愛好団体。長らく、泡盛が楽しめる居酒屋を応援してきた「居酒屋応援団」の白井芳和さんをトップに、白井さんも部員だという、2008年発足で毎週テイスティング会をしている「東京 世田谷 升本屋」(升本屋酒店)の「泡盛部」が中心となっているそうで、大好きな泡盛のことをもっと知ってもらいたい! とイベントが開かれた。それゆえ、部員たちも30名ほど参加し、泡盛になみなみならぬ愛情を注ぐ人との遭遇率が高かったようだ。

笑顔がステキな泡盛の女王

泡盛リキュールやカクテルもおススメ!

泡盛と言えば、その高〜いアルコール度数で知られ、20代、30代の女性の場合、かなりのお酒好き以外は、ちょっと敬遠しがちかも。ということで、ここは、同世代である沖縄県外の泡盛のPR大使をつとめる“泡盛の女王”に、おススメの飲み方を聞いてみた。

「泡盛は強いお酒というイメージがありすぎて、なかなか手が出ない方が多いのですが、酒造所によっては、泡盛ベースの梅酒やハイビスカス酵母を使った泡盛など、アルコール度数が低く、飲みやすいリキュールタイプも出ているので、まずはこちらから飲んで、味に慣れていただけると嬉しいですね。また、マンゴーやグアバジュースなどの南国フルーツで割って、泡盛カクテルもおススメです!」

なるほど。という訳で、泡盛を使ったリキュールがないかと探してみると、ハッケン。

飲みやすい、泡盛のリキュール

1978年に琉球泡盛初の卓上ボトル「グリーンボトル」を登場させ、沖縄で泡盛の一大ブームを巻き起こした「久米仙酒造株式会社」のブースに並んでいた「うめー酢泡盛」(10度)を飲ませて頂くと、うまいっ、飲みやすい! 蔵元の担当者にお話を聞くと、琉球泡盛をベースに、梅酢やりんご酢などを使っているそうで、王道の泡盛はなめるようにちびちびと飲まないと、喉がおぉぉぉっと燃え上がってしまうのだが、これならアルコール度数も低く、味も爽やかでスッキリとしているのでスイスイ飲める。

続いて、隣にあった「泡盛コーヒー」(12度)を飲ませて頂くと、コーヒーのほろ苦さと、黒糖の甘い香さがあり、なんだか甘いスイーツを食べながら、飲みたくなるかも。

全国約30か所にある「泡盛会」

なお、「泡盛会」は、全国各地に30か所ほどあるようで、関西の泡盛会に何度も参加しているという参加者のサラリーマン男性は、わりとお上品に飲んでいる参加者の姿を見て、「こりゃ、葬式だ! 関西の泡盛会はもっとすごいよ! みんな、途中から踊り出すから」とのことで、地域ごとに大きく特色が出そうだ。気になる人は、地元で開かれている「泡盛会」のチェックを。

1度ハマったら長年愛し続けるという、かなりコアなファンが多い泡盛。このイベントを機に新たなファン層をつかむきっかけとなるか。今後の活動に期待したい。

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(上浦未来)