コントロールミスもあり無得点に終わった高瀬。悔しさを滲ませつつスコアレスドローの試合を振り返るその姿には、エースストライカーとしての自覚も感じられた。次戦に期待だ。 (C)SOCCER DIGEST

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 内容では明らかに圧倒していた。ポゼッションで上回り、多くのチャンスを作り出した。それでも、中国のゴールをこじ開けることはできなかった。惜しいところまでボールを運ぶが、最後は相手の粘り強いディフェンスに撥ね返され、ディフェンディング・チャンピオンの日本は1ゴールを奪えず、アジア大会の初戦はスコアレスドローという結果に終わった。
 
 今大会は背番号10が与えられ、エースストライカーとして責任と期待を担う高瀬愛実は、悔しそうに試合を振り返る。
「焦らずに、動かしながら(ボールを)入れていこうという意図はあった。そういうなかで、前線がもっとしっかり要求しなければいけなかったし、入ってきたところで、正直、落ち着かせられなかったので、すごく反省点の多い試合でした」
 
 2トップを組む増矢理花との連係も機能したとは言い難かった。
「自分が高い位置を取って、それでできたスペースを理花に自由に動いてもらおうと思っていたけど、逆に理花と遠くなりすぎた。もうちょっとふたりで役割を分担できればよかった」
 
 恵まれたフィジカルを活かし、懸命にボールをキープしようとしたが、相手のタイトなマークに手を焼いた。31分には川澄奈穂美のクロスにヘッドで合わせたが枠を外れる。その7分後、北原佳奈のフィードを阪口夢穂がつなぎ、ゴール前に走り込んだ高瀬の足下に収まる……はずだったが、コントロールミスでシュートに持ち込めなかった。
 
 そして、70分に無念の途中交代。なにもできないままピッチを去るしかなかった。
 
 誰よりも本人が一番、納得できていないはずだ。チームを勝利に導けず、強い責任を感じてもいるだろう。2日前のガーナとの壮行試合では2得点を決めている。ゴールへの良い感触がある一方で、疲れも当然あったはずだが、そんな言い訳は決して口にはしなかった。エースナンバーを背負う者としての自覚も芽生えているようだ。
 
「良いプレッシャーを感じてできたらいいなと思いながら、試合に臨んでいます。でもやっぱり、結果にこだわりたい。背番号に関係なく結果にこだわる部分はずっと変わらないですけど、そうですね……もうちょっとやらなければいけないなと思います」
 
 次のヨルダン戦(9月18日)では、望みどおりの結果を得られるか。チームに勢いを与えるのは、なによりエースのゴールだ。重圧が大きければ、その分、成し遂げた時の達成感は大きいはずだし、そうした一つひとつの積み重ねが、自身のさらなる成長につながる。ヨルダン戦をその足掛かりとするためにも、まずはチームに勝点3をもたらす活躍を期待したい。
 
取材・文:広島由寛(週刊サッカーダイジェスト)
 
【なでしこジャパン アジア大会日程・結果】
9月15日(月)中国戦/0-0
9月18日(木)ヨルダン戦
9月22日(月)チャイニーズ・タイペイ戦
9月26日(金)準々決勝
9月29日(月)準決勝
10月1日(水)決勝/3位決定戦