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9月20日にベルサール渋谷ガーデンで、ソフトバンクグループのロボット「Pepper」の開発者イベントが開催される。6月にPepperが公開されてから約3カ月、今後の展開はどうなるのだろうか。

○すでに都内のソフトバンクショップにはPepperが続々と

当初は、ソフトバンクの直営店にのみ展開されていたPepperだが(ソフトバンクショップ表参道でPepperの展示開始 - "ウザキャラ"で客賑わす)、一般ショップにも配備が始まっており、9月16日時点で20都道府県、53店舗にのぼる。

また、6月に行なわれたソフトバンクの株主総会では、社外取締役であるユニクロの柳井 正氏に株主から「ユニクロにPepperを配備してほしい」との意見も聞かれた。これに対して柳井氏は「孫さんと検討します」と回答。ユニクロ以外にも、複数の企業から問い合わせがあるとのことで、家庭向けのコミュニケーションロボットとして作られたPepperだが、先に企業の応対用ロボットとして普及するかもしれない。

一方で、ソフトバンクは8月にソフトバンクモバイルから開発部隊を転籍させたロボット事業専門の「ソフトバンクロボティクス」を設立した。

これまでソフトバンクモバイルとしてロボット開発を行なってきたが、事業を進めて行くには開発規模が100名程度と大きくなり過ぎたこと、別会社にすることで事業をスムーズに進めると共に、ソフトバンクとして「本気でロボット事業を推進していく」というアピールとも見てとれそうだ。

こうした動きに対して、消費者側はPepperをどのように見ているのだろうか。6月にMMD研究所が行なった調査によると(「Pepper」に興味がある人は半数以上、欲しい人は? - MMD調べ)と、興味を持つ人は多い。その一方で、20万円近い販売価格から、「購入したい」と回答した人は約15%にとどまり、広くロボットが普及する時代はまだ少し先のようだ。

○子供でもプログラミングが可能に?

それでもソフトバンクは、家庭でPepperとコミュニケーションを取ってもらえるような取り組みを着実に進めている。

それが「子供でもできるPepperのプログラミング」だ。同社は8月末に東京・渋谷の青山学院大学で行なわれた子供向けワークショップ博覧会「ワークショップコレクション 10 with モノづくり体感スタジアム」に参加。多くの小学生が、様々な企業・団体のワークショップで社会勉強を楽しむ中、ソフトバンクはPepperのプログラミング体験会を開催した。

プログラミング体験会は、事前応募で抽選倍率20倍から選ばれた4組の親子が参加。小学5年生、6年生の男の子、女の子が、1時間30分にわたってPepperのSDKを使ってプログラミングを行なった。

PepperのSDKは、ソフトバンクとPepperの共同開発を行なっているアルデバラン社が、小型ロボット「Nao」向けに制作していたSDKを活用しており、完全日本語化とPepperの機能に最適化したカスタマイズを行なっている。

Pepperで動作するアプリケーションは、このSDKでのみ開発できる。子供から大人まで簡単にプログラミングできるようシンプルなGUIを備えているほか、高度なアプリケーションを構築する開発者向けにもPythonやC++といったプログラミング言語で開発できるようになっている。

このGUIでのプログラミングが子供でもプログラミングできるよう、非常に簡便化されているのだが、実際に子供たちも、説明を受けるだけで様々な動きをPepperに"与えて"いた。

与えていたと表現するのには理由がある。Pepperのプログラミングは、PC上でどのような動きをするのかを規定するだけではなく、対話している人間がどのように話しかけたら「どのように動くのか」を、Pepperの各関節を動かしてあげることでプログラミングできる。

つまり、一口に「アプリケーションのプログラミング」といっても、これまでのデバイスの画面上に限られていたプログラミングから、「リアルなものを動かすためのプログラミング」へと移り変わっているのだ。

もちろん、各種ロボット開発者などにとっては当たり前のことと言えるかもしれないが、これを子供たちが体験できる意義は大きい。

今回、子供たちへのプログラミング講座を担当したソフトバンクモバイル MD本部 事業推進統括部 新事業開発室の村山 龍太郎氏も、その意義を強調する。

「このSDKは、子供でも楽しんでもらえるように、本当に簡単にプログラミングできるようになっています。まだ、サービスとして提供できるかどうか検討段階ですが、こうしてトライしてみて反響が良いので、今後中身を詰めていきたいと思います」(村山氏)

SDKはPCで利用できるが、GUIで簡単にプログラミングできるのであれば、スマートデバイス上でも……という期待は膨らむ。

「スマートデバイスでも将来的にはできるようになる可能性はあると思います。一般家庭に一家に一台が目標ですし、ダンスを見るだけではなく、家族でプログラミングが簡単にできるという価値を提供できたら良いですね」(村山氏)

ソフトバンクは20日の開発者イベントで、来場者(募集は締切済み)に対してPepperの先行予約を受け付けるなど、いよいよロンチの時を迎える。「一家に一台のロボット時代」が間近まで来ているのかもしれない。

(徳原大)