この3人はいずれも、来年のカナダ・ワールドカップのメンバーに入れるかどうかの当落線上にいる。それぞれのプレーの特徴は、すでに佐々木監督は把握している。試されるのはリーダーシップであり、今大会ではチームを勝利に導く幅広い貢献が求められる立場にある。
 
5)ズバリ、連覇の可能性は?
 
 優勝の可能性は50パーセントほどか。
 
 オーストラリアは不在(アジア連盟に属するのはサッカーのみ)だが、5月のアジアカップはドーピング違反の制裁で締め出された北朝鮮が出場する。対戦相手の難易度は、アジアカップとほぼ同等と考えれば、その大会を制した優勝メンバーで戦えば可能性は80パーセントから90パーセントほどだっただろう。しかし、佐々木監督はチーム力の底上げを念頭に若い顔ぶれを選んだ。
 
 キャプテンの宮間も「強がりを言わなければ『(優勝)できるとは言い難い』けれども、強がりを言わせてもらえれば『できる』と。そんなレベルです」という認識だ。
 
 来年のカナダ・ワールドカップに向けて新戦力の発掘の場と位置付けながら、連覇というミッションに挑む今大会のなでしこジャパン。簡単な道のりではないだろう。
 
文:西森彰(フリーライター)