伊勢谷友介、『るろ剣』は「時代遅れな哀しい人の物語」
「はっきり言ってしまえば、時代的に必要とされなくなった人」、自ら演じた役をそう語る伊勢谷友介さん。

 暗殺者“人斬り抜刀斎”と恐れられた緋村剣心を主人公にした超人気コミックを、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の大友啓史監督、佐藤健さんの主演により映画化し大ヒットを記録した『るろうに剣心』。

 その続編が、『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』の前後編として続けざまに公開。話題を集めています。

 そこで、剣心を恨み続け、最強の称号を得るために修羅と化し、剣心との対決に執念を燃やす幕府の元隠密御庭番衆の生き残り、四乃森蒼紫を熱演している伊勢谷さんに話を聞きました。

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◆出演を決めた一番大きな理由は監督が大友さんだったから

「世代的には、原作を小学生の頃に読んでいたはずなんですけどね。そんなにハマっていたわけではないんです」と正直に振り返る伊勢谷さん。

 そんな彼の背中を押したのは、「白洲次郎」「龍馬伝」でも組んだ大友監督の存在だったといいます。

「大友監督だからということが、出演を決めた一番大きな理由でした。大友監督は作品の中に、常に社会的な意味のあるものを見出す人。『るろ剣』でいえば、アクションがただのアクションに終わっていない。

 ここに出てくる人は、みな哀しい人で、時代遅れの哀愁を背負いながら殺し合って、時代の片隅に消えていく。大友監督の言葉を借りれば、『エモーションとモーションが一緒になっている』作品なんです。

 ただ個人的には、『あしたのジョー』で力石を演じたときに、ここまでのアクションはもう今後やることがないだろうと思っていて、全く鍛えていませんでした。だからまたイチからトレーニングし直すことになりました。

 身体を動かすことは気持ちいいですし、僕の外見上、あまり軟弱な役というのは来ないので(笑)、身体を鍛えることは僕の役者としての使命なのかもしれないと再認識して、いまでもトレーニングを続けています」

 演じた蒼紫は原作でも人気のキャラクター。彼も時代の変化に乗れなかった人として登場します。

「蒼紫は失ったかつての仲間のために、“最強”にこだわって悲しみを抱え込んでいる。完全なる時代錯誤。でも、『伝説の最期編』では、彼の中にもちょっとした変化が起きていきます。操ちゃん(土屋太凰)とのシーンで、彼女が言ってくれた言葉が蒼紫に響いているのが伝わると思います」

◆アクションチームのレベルが高くて幸せでした

 映画版『るろうに剣心』シリーズの成功には、世界的にも活躍している谷垣健治アクション監督が率いたアクションチームの、圧倒的な速さと、同時に力強い殺陣の力も非常に大きなものになっています。

 まさに生身の人間が戦っていることが伝わってくる殺陣。前編の『京都大火編』の蒼紫では、師匠でもある田中泯さんとの終盤の殺陣が目を奪います。

「蒼紫の戦いは狂っているという1点に集約されています。師匠を自分で殺そうとするところまで行っているわけですから。

 剣心との対決を邪魔するんだったら、倒す。ほかの感情は捨ててしまっているんですよね。泯さんとの戦いは、シーン的には10分ほどの戦いですが、実際の撮影には丸3日ほど費やしました。

 実はあの戦いだけで5キロ痩せました。こんなに落ちるんだ!と自分でもビックリしたくらいです。ちゃんと食べてたんですよ。でもそれよりも発散するエネルギーのほうが強かったんでしょうね。キツイ撮影でした。

 泯さんは僕より30歳以上も年上ですが、楽しくお仕事されている方で、モチベーションをお互いに高め合うことができました」