ただ、長いボール、短いボール、両方ともサッカーの一部。ロングボールだけを強調して質問する意図が分からない。高いボールは(ルールで)禁止されているのか? 高いボールもサッカーの一部だ。
――「監督はアイデアを与えて、それを発展させるのは選手だ」とのことだが、この2試合を通して、日本人選手にピッチ上で監督のアイデアを発展させる能力があると感じられたか?
 
 私は今回、選手に対して、枠から飛び出して、自分のプレーをして欲しいと伝えた。自由にプレーしたいと思っていない選手はいないと私は思っている。選手には、ある形を与えるが、それを発展させるのは選手の自由だ。

 チェスやコンピューターゲームのように、このようにやらなければいけないというものはない。ピッチの中で、人間がプレーを考えながらやっていくものだ。私は選手たちに、ピッチの中で、考えて、判断を下すことを強要する。
 
――以前、この2試合は(来年1月の)アジアカップに向けてのテストだと語っていたが、テストに合格した選手は? 失格だった選手はいたのか? それから、今回招集した23人全員使うことはできなかったが?
 
 マツケン(松原健)を使うことができなかった。そしてタカ(扇原貴宏)、GKのシュウ(西川裕作)とアキ(林彰洋)ももちろん出場させたかったが、それは難しかった。しかし、練習で彼らのことはしっかり見ている。

(合格者、失格者については)次のリストを皆さんがご覧になる時、今回誰が良くて、誰があまり良くなかったのかが分かると思う。
 
――この2試合での一番の収穫は? それから、今回初招集を受けた選手や初出場した選手が結果を残したことについては?
 
 ふたつめの質問が、一番重要なところだ。新しく代表に来た選手たちが、良いプレーをし、しかも結果を残した。他の選手たちについては、ワールドカップや欧州のリーグを見て、ある程度情報を持っていた。選手は期待通り応えてくれた。今回、何が一番良かったかといえば、新しい血が注入されたということ、将来が見えたということだ。
 
――ウルグアイ戦後には、ゴールをプレゼントしてはいけない、と話していたが、今日もそのような失点があった。これは、単に個人のミスなのか、それともチーム立ち上げから間もなくて、選手たちがピッチで考え過ぎてしまったからか?
 
 ミスの一番の責任者は私(笑)。ミスがあったとしても、選手たちが自分で判断を下してプレーしたのであれば、それは私を満足させる。こういった親善試合でミスが起こることを喜んでいる。そして(公式戦である)アジアカップでは、こういったことが起こらないこと、そのミスを相手に利用されないことを願っている。今回はミスが起こった時、相手は全く容赦してくれなかった。すべて決められた。
 
――2試合とも勝てなかったが、自身の仕事について採点するとすれば?
 
 それぞれが、それぞれの仕事をしよう。(※採点はメディアがすべき仕事だという意)
 
――後半に流れを引き寄せられたのは、選手交代が要因か? あるいは、ハーフタイムに修正点を指示したのか?
 
 ハーフタイムに指示は出したし、交代で入った選手たちも良いプレーを見せてくれた。前半は、ベネズエラが我々より激しく、良いプレッシャーをかけており、良いリズムでプレーしていた。だから選手に対して、後半はテンポを上げていこうという話をして、もっとプレッシャーをかけるよう指示をした。2ゴールを決め、シュートがポストに当たる場面もあった。45分間でそれができたというのは悪くなかったと思う。前半は良くなかった。柿谷(曜一朗)の決定機があったくらいだった。

【写真】キリンチャレンジカップ|日本2-2 ベネズエラ