納得の結末!日本にテニス観戦環境(WOWOW)を急速普及させることに成功した錦織圭さん全米オープン準優勝の巻。
錦織圭、納得の準優勝です!

素晴らしかった。惜しかった。夢まであと一歩だった。日本中が眠れぬ夜を過ごした9日早朝、錦織圭さんが全米オープンの決勝に臨みました。しかし、100年かけても日本人が誰一人届かなかった頂点は、そんなに簡単なものではなかった。錦織さんは0-3のストレート負けを喫し、グランドスラム初優勝はなりませんでした。

それでも、この準優勝という結果も日本初・アジア初の大偉業。正直なところ、準優勝どころか、ベスト4でも万歳していいくらいの話でしょう。それぐらいテニスの頂点は遠く高いもの。誰と並んでも頭ひとつ低い錦織さんが、世界と肩を並べたのです。そのことだけでも感謝の気持ちでいっぱいになります。仕事に引きずられ職場で夜を明かしたことも、そのまま起きてこんな駄文を書いていることも、まったく苦になりません!

個人的にもこれほど燃える想いでテニスを見たのは、往年の伊達公子VSシュテフィ・グラフの激闘以来かもしれません。あのときは第一期伊達さんの終焉という状況でしたが、錦織さんの場合はまだ24歳でこれから本格化を迎えるという時分。今まさにグングン伸びている最中の選手です。今大会よりも熱い試合がきっとあるはず。もっと大きなチャンスがきっとあるはず。これで終わりではなく、ここからが伝説の本編なのです。

負けた悔しさを、次への期待がすぐさま上回ってくるこの感じ。

そのワクワク感こそが今大会最大の収穫でしょう。この一戦のためWOWOWを契約した人も、この一戦のためテニスのルールを覚えた人も、きっと無駄にはならないはず。何せテニスは1年に4回も偉業のチャンスがあるのですから。年に4回ずつもあるなら、1回くらい偉業も見られるでしょうからね。

ということで、夢が夢じゃなくなったことを噛み締めながら、9日のWOWOW中継による「全米オープン決勝 錦織圭VSマリン・チリッチ戦」をチェックしていきましょう。

◆初のベスト4、初の決勝進出、2枚の壁を突破した!次はもう1枚を!

薄曇りの中のアーサー・アッシュスタジアム。いわゆるビッグ4が決勝に進出しないということもあって、チケット価格が暴落したなどという話もありましたが、錦織とチリッチが入場しても会場はまだ5分の入りといったところ。ニューヨークの注目度がわずかに下がったぶん、ジャパンの注目度がドーンと上がっている。そんな一戦。

WOWOWの中継ではジョン・マッケンロー氏の「日本人には5セットで錦織が勝つと言うよ。クロアチア人には5セットでチリッチが勝つと言うよ。アハハ」というコメントを紹介します。「正直よくわからない」という本音と、「いずれにしてももつれるであろう」という予測。言えることはただひとつ。どちらも「まだ何も成し遂げていない」ということだけ。

錦織は白のユニクロシャツに黒のユニクロパンツ。一方のチリッチは白のシャツに黒のパンツ。実に紛らわしい。帽子を被っているほうが錦織ということで見ていくのがよさそう。試合前の表情は、ふたりとも落ち着いた様子。ともに勝てばグランドスラム初優勝。ひとりの人生が変わり、ひとりの人生は変わらない。運命の一戦がいよいよ始まります。

↓どうでもいいけど客来るの遅っ!


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第1セットはコイントスで勝ったチリッチのサーブから。チリッチはファーストサーブが入らない。錦織は動きに伸びがない。どちらも「勝ちへの緊張感」を覚えているか、両者ともかたい立ち上がり。錦織は盛んにジャンプや貧乏ゆすりをして心と身体を和らげます。第1ゲームでいきなり錦織はブレークポイントを握りますが、ここはチリッチが踏ん張ってキープ。振り返ればここが最大の勝負所だったかもしれません。ここでブレークできていれば、という。

先に調子を上げてきたのはチリッチ。第5ゲームは134マイルの高速サーブなどで2本のエースを決め、ラブゲームでキープ。両者がキープし合ってはいるものの、チリッチは準決勝の勢いを早くも再現し始めました。逆に錦織は第6ゲーム、トリプルブレークポイントに追い込まれ、こらえきれず。最初のブレークを喫します。錦織はファーストサーブがなかなか決まってこず、リターンでも当たり損ねが見られます。ついには自分への苛立ちか、両手を広げて大きく声を挙げる場面も。

結局、このセットは3-6でチリッチに奪われます。終盤にはネット際に落とされたり、ストロークで振り負けたり、錦織がやりたいことを逆にチリッチにやられる格好に。錦織得意の長い勝負に持ち込むためにも、第2セットは取り返したいところですが、何だか一気に持って行かれかねないような、イヤな立ち上がりとなりました。

第2セット。錦織は最初のサービスゲームをキープしてスタート。ようやくラリーで攻め切った場面を見せます。しかし、少し上向き加減になったかと思いきや、まだまだエンジンがかかってこない錦織。第3ゲームはこの日2度目のトリプルブレークポイントのピンチとなります。2本返して30-40で迎えた場面、相手の返球がコードボール(ネットに当たる)になったところで、それに反応しただけでなくドロップショットで逆に相手の虚を突くという切り返し。このゲームこそ落としますが、じょじょに錦織らしさが出始めます。

↓チリッチは一歩も動けず、客は立ち上がるファンタスティックドロップショット!


これはキレイに決まった!

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錦織は第5ゲームをラブゲームでキープするなど、流れに乗りかける場面も作りますが、それをチリッチがビッグサーブの連発で跳ね返すという構図。第6ゲームにはエース4本であっという間にサービスキープするなど、チリッチは絶好調。第8ゲームも錦織が40-15とダブルのブレークポイントを握りますが、ここでまたチリッチのサーブがズドンと決まり、簡単にブレークすることを許しません。

そんな中、デュースになったところの攻防で、チリッチが自らの判断でラリーを中断してまで「錦織のさっきの返球がアウトだった」とチャレンジを要求する場面が。すると、これが大失敗。錦織の返球はインだったため、みすみすポイントを与える結果となったのです。錦織はこの流れを活かして、この試合初めてのブレーク。何やかんやで第2セットも落としますが、少しずつ錦織も上げてきてはいます。あとは試合終了までに、浮上が間に合うかどうか。

↓でも、ちょっとテンポよくいかれすぎかな…。


2セット終えてまだ1時間10分!

もう少し時間を稼いで粘れ!

第2セット、悪くはなかったぞ!

まだまだここからだ!

負ければ終わりの第3セット。しかし、錦織はこのセットも先にブレークを許します。ゲームカウント1-4とリードを許した段階では、チリッチは陣営に向かってグランドスラム初優勝への手応えをガッツポーズで表現。「勝てる」と思ったのか。「勝った」と思ったのか。日本には「勝つと思うな思えば負けよ」という歌があることをチリッチにも教えてあげたいところ。錦織粘れ。まだまだ勝負はこれから。

第7ゲーム、錦織は40-15とブレークチャンスを迎え、都合3度のブレークポイントを握りますが、引きつづきチリッチが強い。これを凌がれてゲームカウント2-5。つづく錦織サーブの第8ゲームは、錦織にもエースが出るなどキープして3-5。何とかしてブレークしたい…というか落とせば終わりの第9ゲーム。しかし、最後までチリッチは素晴らしい出来だった。最後は錦織が飛びついてラケットに当てるのが精一杯のサーブがズドンズドンズドンズドン。

サーブで勝ち、ラリーでもこらえる。チリッチの強さは最後まで錦織を上回っていました。何度も流れをつかめそうな場面があったにも関わらず、ここぞというところでズドンが飛んでくる。これだけズドンされたら、誰がやってもそうそう勝てるものではありません。こういうのを日本では「お手上げ」と言うんでしょうね。錦織圭、納得の準優勝です。

↓チリッチ歓喜の優勝!これは勝った相手を褒めるしかない!



勝つってのは難しいな!

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取り逃せば悔しさも募るのでしょうが、この試合は見事に負けましたという内容。スッパリと気持ちを切り替えるしかない敗戦でした。「相手が強かった」と思って終われたなら、むしろ次戦への気力も沸くに違いありません。そもそも今大会は、足の負傷で出ようか出るまいか迷っていたくらいだと言います。もっと万全のチャンスが巡ってくる日も、またあるでしょう。

コーチのマイケル・チャン氏も四大大会を制したのはクレーコートの全仏のみ。タイプ的には、錦織も全仏が最大のチャンスとなるでしょう。その意味では、全仏以外の大会で壁をあらかた突破できたのは悪くありません。全仏はこの10年、ほぼラファエル・ナダルが独占するタイトルですが、錦織はそのナダルをクレーコートで圧倒したこともあります(※負傷で途中棄権となり勝ちはつかず)。来年はチャンスも十分あるでしょう。

せっかくの歴史的偉業なら、みんなで見たほうが盛り上がるというもの。今回は日本中で歴史を目撃するための予告編だと思えば、この準優勝も悪くありません。今回のフィーバーで各位のWOWOW視聴環境も万全整ったことですし、もういつ優勝していただいてもOKですね!

四大大会制覇という大きな壁、取り払って次のステージに進もう!