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東北大学は9月5日、青色光励起により強い赤色発光を示すシリケート系酸化物蛍光体を開発したと発表した。

同成果は、同大 多元物質科学研究所の垣花眞人教授らによるもの。詳細は、「Angewandte Chemie International Edition」に掲載された。また、9月9〜11日に鹿児島大学で開催される「日本セラミックス協会 第27回秋季シンポジウム」、および9月17〜20日に北海道大学で「第75回応用物理学会秋季学術講演会」にて口頭発表される。

今回、研究グループは、青色光励起により深赤色(650nm)で発光するシリケート系酸化物蛍光体Ca1.2Eu0.8SiO4を開発した。この蛍光体の母体となる物質は、アルカリ土類金属-シリコン複合酸化物であり、古くからセメント材料の主成分として使用されてきた。同物質に発光イオンである2価のユーロピウム(Eu2+)を高濃度賦活した場合、青色光励起において波長650nmを中心とする深赤色発光を示し、その発光強度は市販のYAG:Ce3+とほぼ同等であるという。また、Ca1.2Eu0.8SiO4蛍光体は、波長350〜500nmの範囲に強い励起バンドを有しており、市販の紫外および青色LEDによって効率よく励起することができるため、白色LED用に適した赤色蛍光体であると言える。さらに、現在市販されている窒化物系赤色蛍光体の製造において、不可欠とされる高圧焼成炉のような特殊な設備を必要とせずに合成できるというメリットも有している。今後、照明用光源を中心に高演色が求められる白色LED素子への利用が期待されるとコメントしている。