百歳の力

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「おじいちゃん」「おばあちゃん」と呼んでいいのは孫だけ? 65歳以上の人口は増えているのに、全国の老人クラブは減少傾向にある。「老人」という枠組みを避けている人には、来たる敬老の日に「長生きしてください」なんて軽々しく言えない。もっと適切なほかの表現を考えなければ。そもそも、われらの先輩たちは今何に情熱を燃やしているのか、じっくり話を聞いてみたい。

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美しいおひとりさま、101歳

『百歳の力』

100歳は、生きている、ただそれだけで「スゴイ人」だ。そして、101歳の前衛美術家・篠田桃紅は、「もっとスゴイ人」である。古い価値観の時代に独身を貫き、戦後すぐに単身ニューヨークへ渡った。集英社から出ている『百歳の力』(著・篠田桃紅、756円)の帯を見て、さらに「美しい人」だということも分かった。すっとした立ち姿に、こちらの背筋も伸びる。「人が敷いてくれた道をゆっくり歩いて行けばいいというような一生は、私の性格に合わないんだからしょうがない」という彼女、道なき道は険しかったはずだ。それなのに著書から垣間見えるのは、5歳から今に至るまで墨に魅了され続けた、少女のようにチャーミングな精神だ。筆を大胆に走らせた作品は、大英博物館、MoMA、グッゲンハイム美術館、ボストン美術館など、名だたるミュージアムに所蔵されている。

激動 大正生まれのサッカー人生

『日独蹴球史秘録 現役最年長記者・賀川浩がひも解く日独サッカー交流100年史』

スーパープレーの感動を大勢が共有できるように文字で表現する、そのためには、膨大な情報量と考察の積み重ね、そして行動力が必要だ。日本サッカー界に知れ渡る名物記者・賀川浩の情熱と体力はいったいどこからやって来るのか。1924年生まれ。自ら選手として活躍したのち、スポーツ記者へ転身。1974年に開催された西ドイツ大会を皮切りに、健康上の理由で欠席した南アフリカ大会以外、すべての大会に足を運んできた。10度目の参加となった今年のブラジル大会では、FIFA公式サイトでプレス席に座る最高齢記者の姿が世界に向けて紹介された。優勝の栄冠に輝いたドイツは、日本にサッカー文化を持ち込んだ国でもある。賀川の含蓄ある解説はブックビヨンドの電子書籍『日独蹴球史秘録 現役最年長記者・賀川浩がひも解く日独サッカー交流100年史』(著・賀川浩、マージーサイド、500円)でじっくり味わえる。

おしゃれに年齢は関係ない! 証明してみせた240ページ

『Advanced Style ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ』

「年甲斐もなく短いスカートを履いて」「オバサンは海でビキニ着ちゃダメでしょ」、そんな雑音は無視していい。着たい服があるのに、年齢を理由にあきらめているとしたら、それは悲劇だ。大和書房の写真集『Advanced Style ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ』(著・アリ・セス・コーエン、訳・岡野 ひろか、2700円)の表紙を閉じながらそう思った。「周りがなんと言おうと、私の好きなスタイルはこれよ!」と全身でメッセージを放つ60から100歳までの女性たちは、みなエネルギッシュだ。ゆるぎないプライドを感じさせる。彼女たちをAdvanced(先を行く人)と呼び、ブログで発表してきた著者のセンスには脱帽だ。表紙を飾ったミミは必ず帽子をかぶって出かける。なぜなら、「帽子は人生に残った、たったひとつのロマンス」だから。人生の主役は自分、それを改めて実感させる一冊だ。