5大会連続U−17W杯へ、アジアの戦いがスタート…初戦は上々の完封勝利

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 いよいよ開幕した、来年チリで開催されるU−17ワールドカップの出場権を懸けた、アジア最終予選であるAFC U−16選手権(タイ)。初戦でいきなり『東南アジアの洗礼』を受けることになった。

 初戦の相手はグループリーグ3チームの中で一番実力が落ちる香港だけに、ここでいかに点差を広げて勝つかは、大きなポイントだった。

 立ち上がりから試合は日本ペース。日本の圧倒的なポゼッションの前に、香港は全員が自陣に戻って守備をするという、当初の予想通りの形になった。だが、10分過ぎあたりになると、一気に空が暗くなり、大粒の雨が降ってきた。東南アジア特有のスコールがたちまちピッチを水浸しにした。

 思うようにボールが進まないピッチに苦しみながらも、日本は変わらずポゼッションで圧倒。そして雨がやみ始めた25分過ぎると、日本のボール回しのテンポも上がりだし、チャンスが作れるようになってきた。だが、33分に右サイドを突破した田中康介のマイナスの折り返しを、中央でFW佐々木匠がフリーでシュートを放つが、ボールはバーの上。決めるべきところで決めきれずにいると、39分過ぎには再びスコールが。

 2度のスコールに見舞われる中、ハーフコートゲームで試合を進めるも、1点が遠く、0−0のままで前半を終了した。

 ハーフタイム。吉武監督が面をくらった出来事があった。「正直、僕は不安だった。このまま0−0でいってしまうのではないかと。でも、ハーフタイムに選手たちの表情を見たら、まったくそうじゃなかった。話を聞く耳を持っていたし、私が思っている以上に選手たちは自信を持っていた」と語ったように、選手たちはこの流れを『嫌な流れ』と捉えていなかった。

 それが証拠に、後半に入ると日本のサッカーのテンポが上がった。「相手が中を固めて来るので、むやみに見あがらずにタイミングを見て上がった」と左サイドバックの堂安律が語れば、「しっかりと連動してやれば崩れると思った」と藤本寛也も冷静さを欠くことなく、ポゼッションを続けた。

 50分に左サイドで田中碧がボールを受けると、一気に堂安律がオーバーラップを仕掛ける。田中碧のスルーパスを受けると、強烈な左足シュートをゴールに突き刺した。さらに60分に菅大輝が投入されると、「引いた相手にはどんどんミドルや縦パスを狙っていけばいい。積極的に行こうと思った」と、バイタルエリアのスペースにクサビが入るようになり、71分には積極的なクサビから、途中出場の斧澤隼輝が倒され、絶好の位置でFKを得る。これを菅が自慢の左足を豪快に振り抜き、強烈なシュートを決めて、2−0。

 その後もポゼッションで圧倒的に上回り、初戦を完封勝利。欲を言えばもっと点が欲しかったが、初戦を考えれば悪くない出来。しかも選手たちが吉武監督の想像を超えるほど、自信を持って落ち着いて戦えたことは、今後を考えると大きなプラスになることは間違いない。

 次なる相手は中国。日本戦の後に行われた中国vsオーストラリアでは、日本の次戦の相手である中国は相手攻撃へのマークが甘く、次々と裏を取られて0−3で敗戦。組織として未熟な相手だけに、日本はここをしっかりと叩いて、早々に決勝トーナメント進出を決めたいところだ。

文=安藤隆人