ヘルツェゴビナのディナル・アルプスとネレトヴァ川  (Photo:©Alt Invest Com)

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 ボスニア・ヘルツェゴビナ(ボスニア)の古都モスタルは、サラエヴォと並ぶ観光地として知られている。アドリア海に面したクロアチの城塞都市ドブロヴニクから日帰りするのが定番の観光コースだが、できればサラエヴォからバスで行きたい。

 ディナル・アルプスはアドリア海に沿ってバルカン半島を南北に縦断する山脈で、ボスニア南部のヘルツェゴビナ地方のほとんどが標高2000メートルの山間部だ。サラエヴォを出発したバスは、ネレトヴァ川に沿ってこのディナル・アルプスを越えていく。眼前に勇壮な岩山や渓谷、透き通った湖が次々と現われ、その幻想的な光景に圧倒されることは間違いない。

 サラエヴォからは所要約6時間、料金は20KM(コンベルティビルナ・マルカ)。ボスニアの通貨KM(兌換マルク)はユーロと1ユーロ=2KMでペッグしているから、20KMは約1400円になる。

 ネレトヴァ川は道路の西側を流れているから、サラエヴォからのバスは左側に座るのがベスト。モスタルからドブロヴニクに向かうときは、アドリア海の複雑な海岸線が見える右側の席に座りたい。こちらのバス料金は32KM(約3200円)、所要3時間半だ。


 私はサラエヴォを午前6時に出発するバスに乗ったのだが、山間部に入ると次々と若者たちが乗り込んできて、がらがらだった車内はいつの間にか満席になってしまった。ほとんどはボスニア人(ムスリム)だろうがヴェールで髪を隠している女性はおらず、ものすごくお洒落をして、iPhoneで音楽を聴くかスマートフォンをいじっている。

 なにごとかと思っていると、モスタルのひとつ手前のバス停で全員が降りた。あとで調べるとここにはユーゴスラビアの元首相ゼマル・ビディッチDzemal Bijedicの名を冠した大学があり、彼らはそこに通学していたのだ。大学には工学や経済学など8つの学部があって、7000人を超える学生が学んでいる。

 ボスニアの内戦は1995年に停戦が実現したから、その後で生まれた子どもたちは20歳前後になる。彼らはボスニアの“戦後”のベビーブーマーたちだったのだ。

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