次こそワンチャンスをモノにして代表定着へ…得点意欲を高める皆川

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 ハビエル・アギーレ監督率いる新生・日本代表の初陣となった5日のウルグアイ戦(札幌)はご存じの通り、黒星発進となった。新指揮官は4−3−3をベースに3−4−3や4−4−2へと流動的にシステムを変えながら戦っていく姿勢を示したが、新戦力も数多く、チームを完成形に近づけるのはまだまだ時間がかかりそうな雲行きだった。

 その日本代表が一夜明けた6日、札幌市内でトレーニングを行った。アルベルト・ザッケローニ監督時代は試合出場組はストレッチやランニング、体幹トレーニングなどを消化する一方、サブ組がゲーム形式で調整するのがつねだったが、この日は全員揃ってハーフコートでプレッシングの基本を再徹底するところからスタートした。

 ウルグアイ戦ではセンターバック要員として呼ばれている森重真人(FC東京)がアンカーを務め、3トップの右がメインの岡崎慎司(マインツ)が左に回るサプライズもあったが、この日は2日目のクロス&シュートの練習と同じように、森重はセンターバックに入り、岡崎も本田圭佑(ミラン)とともに右ワイドに陣取っていた。基本形はあっても状況に応じてポジションや組み合わせを変えていくのがアギーレ流なのだろう。

 この後から試合出場組とそれ以外が分かれ、前者はクールダウンに努め、サブ組は6対3やクロス&シュートの練習、5対5+GKなどの練習をこなした。その間、アギーレ監督は森重や田中順也(スポルティング・リスボン)など前日出場組の何人かを呼んで、コンディションや前日のパフォーマンスについて質問を投げかけていた。こうした個人的なコミュニケーションもザック体制では少なかった。新指揮官としてはあらゆる方法で選手個々の情報を多角的に収集しようとしているようだ。

 練習後には、森重や田中、皆川佑介(サンフレッチェ広島)がテレビの取材に答えた。ブラジル・ワールドカップの中断後にJリーグデビューを果たしたばかりで、いきなり代表に呼ばれ、初陣で先発起用された皆川は、ウルグアイのゴディン(アトレティコ・マドリード)のような世界的DFを相手に果敢に体をぶつけ、闘争心あふれるところを前面に押し出した。

「ゴディンの体の強さだったり、体の当て方、駆け引きはワールドクラスだと思いますし、肌で感じられたというのはホントに自分にとってすごくいい経験にもなります。ああいう選手とやっても張り合えるようになりたい」と彼はあくまで謙虚な物言いだったが、少なからず手ごたえを得た様子だった。

 ただ、本人としては前半17分に岡崎の左クロスに反応し、打点の高いヘッドを放ちながら、ゴールを奪えなかったことを、一晩経っても悔やんでいた。

「結果を残したい気持ちは強くあります。ワンチャンスをモノにできれば今後も(指揮官の)選択肢に入ってくると思う。もっとアピールしないといけない」と厳しい状況でも得点を奪うことが、代表定着につながると強く自覚していた。

 本田や田中も皆川の底知れぬ潜在能力を実感し、高く評価していただけに、ここで結果を出して代表の主力になるのか、それとも定着できずに去っていくのかが気になるところ。同じポジションを争う大迫勇也(ケルン)も黙っていないだろう。そういう中で存在感を示せてこそ、真のストライカーになれる。所属のサンフレッチェ広島で佐藤寿人という絶対的エースからポジションを奪いつつある泥臭さとタフさ、恵まれた身体能力を存分に生かし、千載一遇のチャンスをつかみ取ることが肝要といえる。さし当たって9日のベネズエラ戦(横浜)で皆川の真価が問われそうだ。

文=元川悦子