新戦力が持ち味見せた初陣…「タレント性のある選手ばかり」と本田も太鼓判

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 4−3−3で戦うと明言していたハビエル・アギーレ監督が誰を先発起用するかは新体制初陣となった5日のウルグアイ戦(札幌)最大の注目点だった。配られたリストには、初キャップの皆川佑介(サンフレッチェ広島)、坂井達弥(サガン鳥栖)、キャップ数1の田中順也(スポルティング・リスボン)らフレッシュな面々が何人も名を連ねた。さらに後半からは初キャップの武藤嘉紀(FC東京)、森岡亮太(ヴィッセル神戸)らも出場。試合自体は0−2で敗れはしたが、新戦力が数多くピッチに立ったのは間違いなく収穫だった。

「彼らはタレント性のある選手ばかりだなという印象を受けてます。ただ、甘やかしてもしょうがないし、あくまでタレント性にすぎないということ。伸びるも伸びないも、化けるも化けないも本人たち次第じゃないかということ。僕が入った時に比べたら、確実に彼らは僕よりうまいし、そういう意味では僕よりタレント性を秘めてるわけなんで、どれだけ自分がこれから変化していく努力をするか、そこにかかってるんじゃないかと思います」とキャプテンマークを巻いた本田圭佑(ミラン)もチクリと苦言を呈しつつも、彼らのポテンシャルに太鼓判を押した。

 前半34分のエディンソン・カバーニ(パリSG)の先制点に直結する大きなトラップをしてしまった坂井はほろ苦いスタートを余儀なくされたが、立ち上がりからウルグアイ屈指のDFディエゴ・ゴディン(アトレティコ・マドリード)らを相手にしっかりと体を張って起点を作り、本田や岡崎慎司(マインツ)らにいい形でボールを落としていた皆川、ダイナミックなアップダウンを繰り返して強烈なミドルシュートも2つ放った田中らは長い時間プレーしたこともあって、かなり前向きなインパクトを残したと言っていい。

 皆川に関しては、「彼のようなターゲットマンがいるとかなり助かる。あとは僕らがセンターバックからのタテパスを当てるコースを作り続けること。そうじゃないと全部ロングボールになってしまう。足元でも崩せるようになれば、彼の負担も少なくなる」と田中が言い、本田も「組み合わせの幅が今まで以上に増えるし、(ゴール前の)解決策もいくつか増えるんじゃないかと思う」と強調していたが、確かに彼がいるだけで相手守備陣を押し込むことができる。その能力をウルグアイ相手に示したのは、今後への希望につながるはずだ。皆川本人は「決定的なヘディングの場面を決めたかったし、あそこで決められなかったことがチームにとって痛かったので責任を感じている。コースというより、球が柔らかかったので頭を振りすぎてしまった」と反省しきりだったが、本田が言うように今後自分なりに高いレベルに飛躍する努力を続けて行けば、大化けする可能性もゼロではないだろう。

 そして田中も、前半41分に数的不利にかかわらず強引なドリブル突破からチャンスを作り、後半7分には森重真人(FC東京)からパスを受けた瞬間、ためらうことなく強烈左足シュートを蹴った。これはGK正面に飛んでしまい、「2つとも自分の形だったから、どっちかは入れたかった。だから悔しいですね。でもあの距離からシュートを狙うことが一番のストロングポイントなんで、これからも続けていきたい」と悔しさを今後への糧にしていくことを誓っていた。

 今回選ばれているMFの選手は、細貝萌(ヘルタ・ベルリン)や柴崎岳(鹿島アントラーズ)、扇原貴宏(セレッソ大阪)のようにボランチを本職としており、ファンタジスタタイプで、左ウイングやFWを主戦場とすることが多かった森岡だけがタイプが違う。そういう特徴を大胆に出そうとしていた。その思い切りのよさ、ゴール前での得点力と怖さも大きな魅力だろう。

「攻撃の部分でもっと点を取りに行かないといけない。そのためにもセンタリングの精度を上げないと。俺も1回、すごいミスをしたし、しっかりとピンポイントで合わせないと点を取れない世界なんで、突き詰めてやっていきたいと思います」と森岡はいち早く自らの課題を口にしていた。その賢さも武器になりそうだ。

 後半から短時間だけプレーした武藤も強烈シュートを左ポストに当て、森岡もスーパーなパスで得点チャンスをお膳立てしており、それぞれにキラリと光る部分をのぞかせたことも明るい材料だった。こうした選手たちが着実に力をつけ、ブラジル・ワールドカップ経験者とうまく融合していけば、アギーレジャパンはいい意味で化学変化を起こしそうだ。

文=元川悦子