フットサル代表ミゲル・ロドリゴ監督インタビュー「ブラジル遠征はアジア選手権のメンバーで行く」

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 アジア選手権を連覇したフットサル日本代表が、2年後にコロンビアで開催されるフットサルW杯へ向けて始動した。1日から3日まで、静岡県内で行われたトレーニングキャンプ中に、ゲキサカはミゲル・ロドリゴ監督を直撃。直後に試合が予定されていない今回の合宿の目的を聞くとともに、今後の代表活動についても聞いた。

以下、ミゲル・ロドリゴ監督インタビュー

―今回のメンバー選考、そして合宿の意図を教えてください。

「グループのメンバー自体は、年齢的な若返りを一度済ませているので、それほど大きな変更は必要としていない段階にあります。ただ、この後、ブラジル遠征が予定されています。さらに、まだ最終確定ではないのですが、その直後にクウェートで開催される国際大会にも、出場する予定になっています。12月には国際親善試合をという計画もあります。そういうところを踏まえて、常に新しいプレーヤーに来てもらって、試してというのは、良いことだと思います。そういうスケジュールをにらんで、新しい選手の入れ方をしながら、準備をしながらの位置づけです。そういう新しいメンバーにも、代表チームでやっているやり方に触れてもらって、頭に入れてもらって、入っていってもらえたらという感じです」

―2日目午前の練習では4人が並ぶクワトロ(4-0)の練習をやっていました。ピヴォを置く3-1が多い日本代表だけに、珍しいですよね?

「代表チームのスタイルとしては、4-0からの3-1っていう一連のプロセスを攻撃の形として持っているので。あれは、その中で前段のところを切り抜いたという位置づけです。ないので、あのような練習を行いました。もちろん、クラブでやっているスタイルが違うので、戸惑った選手もいましたが、大事なのは戦術的な細かい部分です。クワトロを成立させるためのアクションを連続的に入れて行くのが、うちのやり方なんだよと。そこに触れてもらうことが大事でした」

―今季注目を集めているすみだから、FP宮崎曉選手一人が招集されました。彼を招集した理由は?

「何人かいる候補選手の中でも、彼は体がありますし、1対1でも勝負できる選手です。タレントとしては珍しい、貴重なところがあります。そこで今回、彼を呼びました。今回、(稲葉)洸太郎がいた感覚でしょうが、彼も年齢を重ねていきますし、後継者はどんどん出てこなければいけません。室田祐希もそうですし、その辺の特性を持った選手が、この後、継いで行くんだぞということで、一歩前に出てアピールできるような、そういう状況を彼らもつくっていかないといけませんし、そういうところを期待しています。体つきの部分をとっても、ああいう長身の選手というのは有利ですし、アドバンテージになっていくと思います。それほど多くいるタイプではないので、そういうことを宮崎くんには期待しています」

―昨季は浦安のトップチームとセグンドを行き来していたFP加藤竜馬選手も抜擢されました。

「竜馬に関しては前から知っている選手でした。とくに今はチームの中心というか、牽引する役割になっています。昨年から今の流れは始まっていたと思います。すごくアグレッシブにプレスに行けますし、タッチライン際の突破、シュートも持っています」

―アジア選手権でいえば、FP中村友亮選手の役目ですか?

「ちょっと違いますね。友亮は、どちらかというと攻撃においては戦術的に機能するタイプです。自分でボールを持ってというのが、できないわけではありませんが、売りとしているのは、周囲を動かしながら自分も動かすことです。また、シュートも龍馬ほどは持っていないと思います。ただ、守備の部分に関しては、確かに共通する部分があるかもしれません。2人ともスピードを持って、アグレッシブに寄せられるので。攻撃に関しては役割も特性も違うかなと思っています」

―また、意外にも初選出のFP星龍太選手については?

「やっぱりフィクソの部分で彼には期待をしたいですね。あれだけパワーがあり、滝田のように体でしっかり勝負できる選手は、フィクソでも、これからまだ必要だと思っています。今は滝田しか、そういう選手がいないので。そこに龍太が上手くなじんできてくれれば、層も厚くなります。戦えるフィクソですね」

―10月のブラジル遠征、クウェート遠征のメンバー選考も兼ねていると思いますが、どういう競争を求めていて、どういうメンバーで臨みたいと思っていますか?

「実際には、もともとグランプリ(ブラジル遠征)の日程については、その大会があることが事前に分かっていて、もともとの計画に入れてありました。そのため、基本的にはよほどのことがない限り、アジア選手権で戦ったメンバーで行きたいというのが、コンセプトです。クウェート遠征というのは、もともとの年間計画にあったものではなく、突然オファーをいただいた、サプライズの大会です。そこに関しては、リーグの方も日程の調整ができていない。ただ、活動の機会としては非常に貴重なのでやりたいです。ですから、そこはブラジルに行ったときとは異なるメンバーになります」

―アジア選手権のメンバーは、今回外れている選手たちを全員戻すということでしょうか?

「そうですね。西谷、小曽戸、中村、洸太郎。彼らを戻したアジア選手権のメンバーです」

―その意図は、なんですか?

「今回来ていないということに関しては、人数も限りのある活動なので、新しいメンバーにこのグループへの馴染み方を試してみてみたいということがありました。また、これはクウェートへの大会に向けた準備にもなっています。やることを変える、全く違うグループでやることを変えるっていうのではなく、ブラジルのメンバーを軸に持っていますが、そこにクウェートの大会に参加すると思しきメンバーを導入して、同じやり方でやって彼らを軸に次の大会に行くという感じです」

―世界トップレベルと戦うブラジル遠征までは、アジア選手権優勝メンバーで戦い、そこで競争の必要なポジションを見極めるわけですね。

「そうですね。今のところの考え方では、グランプリはそのアジア選手権のラインで行き、クウェートの大会も完全に別のメンバーで行くことは難しいので、何人か、3人、4人を残して臨みたいと思います」

―残るのが3、4人なら、結構、入れ替わるんですね。

「はい。今、ここまで呼ばれているメンバーだけが大きなグループのリストにいるわけでも、注目している選手というわけでもありません。もう少し、広く見ているところもあるので、これまで呼ぶ機会のなかった選手も呼んで、ブラジルとクウェートの2回行く人、今回のキャンプに行く人と混ざって、クウェートの大会に行くイメージです」

―すべてが2年後のアジア選手権、W杯に向けたものですね。

「そうです。そういう考え方ですね」

―アギーレジャパンと同じタイミングで再始動しましたが、活動回数が少ないのは大きな悩みですよね。

「まぁ、サッカーはサッカーですね」

―アギーレ監督とは、話したのですか?

「協会で挨拶をして、会話も割とかわして、近いうちに食事に行きましょうと話しました。とくにGKコーチとフィジカルコーチの人とは仲良くしていて、今も毎日のように連絡をとっています。実はフィジカルコーチのフアン・イリバレンさんは、フットサルのコーチもやる人なんです。もう7年間、アギーレ監督と一緒にやっているそうです。GKコーチのリカルド・ロペスさんは、初めて一緒にやるそうですね」

―何かアドバイスを送りましたか?

「20分、30分話をして、日本の文化について話したのと、あとは電話で話しましたね。とくにリカルドさんとは、よく電話で話をしています。多分、こちらもこういうキャンプがあり、アギーレ監督も2試合あるので、それが終わってから、また食事に行って意見交換ができると思います」

(取材・文 河合拓)