「江角マキコ オフィシャルブログ」より

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 ブログでのいじめ告白以降、次から次へ予想外の展開を見せている江角マキコの"ママ友"問題。自分がいじめられていたと告白した途端、別のママ友から「いじめは江角のほう」との反撃を食らい、さらに追い打ちをかけるかのように「週刊文春」で長嶋一茂邸への落書き事件への関与が報じられる始末。

 この落書き事件は青山学院幼稚園の有力リーダーだった長嶋の妻と、ママ友だった江角との間に確執が起こったためのものだというが、その内実はあまりにレベルの低いものだ。

「そもそも江角が仕切りたがり屋だったことで、当初は仲良しだった長嶋一茂妻を中心とするグループから仲間外れにされたようです。しかしそのいじめは本当にくだらないもの。江角がいると近寄らない、無視する、陰口をたたく──。しかも青学は著名人の子息も多く通い"掟"やら"ママカースト"といった差別や区別が激しい。子どもたちの両親や祖父母の"出自""ステイタス"が大きな幅を利かせる世界で、地方出身者も差別の対象となるようです。江角は島根出身"成り上がり"ですからそのことでもパージの対象となった」(週刊誌記者)

 部外者から見れば、双方どっちもどっちで、そんなことで差別?いじめ?とただただ驚くばかりだが、ママカーストは摩訶不思議、魑魅魍魎の世界であるらしい。

『ママの世界はいつも戦争』(杉浦由美子/ベストセラーズ)には、そんな恐怖のママ友ワールドが描かれている。

「ベビーカーの大きさ、自己実現は自分のキャリアか子供の受験か、タワマンに住むか公団に住むか"ママカーストの新機軸"」

 これは本書の紹介文だが、ママでない人には何のことかさっぱり分からないだろう。では最初にベビーカーから説明したい。

 本書によるとママ友の間では「ベビーカー」はお互いの"家の経済事情"を推し量るツールだという。どういうことかというと、一般的に大きく重いベビーカーは乗り心地がよく、押しやすく、そして値段が高い。

「重たいベビーカーを使えるのは、ベビーカーを持ち上げる必要がない人たち、つまり、エレベーター完備のタワーマンションに住むママたちです」

 重たいベビーカーを使っているママはバリアフリー完備や、タワーマンションに住むお金持ち。一方軽さがウリのベビーカーは安定度が低く、値段も安い。よって重いベビーカーのママの方が経済カースト的に上だということらしい。

 このようにベビーカーひとつで「目に見える経済格差」により"格付け"されるママ達。さらに「教育方針」や「有職か専業主婦か」といったことでも細かくグルーピングされてしまうという。

 例えば子どもを保育園に入れるか、幼稚園に入れるかでもそれは大きく分かれる。

 保育園はフルタイムで仕事をするママが多く集まり、幼稚園は主にパートや専業主婦ママが集まる。よって保育園ママと幼稚園ママは「行動の範囲、時間帯、そして、子育てへの考え方も違う」のだ。そのためこの両者が積極的に交わることはない。いや、交わらないどころか相手を"見下して"もいる。

 ある医師の"幼稚園"ママは、週に一度だけ勤務し、他の曜日は娘の習い事の付き添いにあてている。そして同じマンションに住む"保育園"ママに対しこう毒づいたという。

「保育園に子供を預けっぱなしなんて信じられない」

 まさに自分の価値観、子育て観の押し売りだが、ママたちはこうして自分と異質なものを排除し差別し、自己正当化するのだ。当然トップに君臨するのは専業主婦だが、働くママの中にも順位・カーストが存在するという。

「自己実現のために働く正社員ママ」「学費のために働く契約社員のママ」そして最底辺は「家庭の問題などで心身を病んでいるなど"働きたくても働けないママ"」だ。

 この区分自体、いかがなものかと思うが、ママカーストとはこんな"差別"に満ちあふれているらしい。

 さらに住んでいる場所も当然 "カースト"が存在する。

 本書には、東京大田区の高級住宅街である田園調布在住の専業主婦ママのインタビューが掲載されているが、彼女によれば「同じ大田区でも、田園調布と蒲田は大違い」なのだとか。

「大田区って昔から格差がある区なんですよね。田園調布みたいな高級住宅地もあれば、蒲田、羽田や糀谷といった工業地域もあって」

 確かにその通りではあるが、彼女たちの差別意識はちょっとすごい。

 田園調布に住むのは『自己実現のために働くママたち』が多く、下町の蒲田は「働きたくても働けない専業主婦」。こうして田園調布ママは蒲田ママを差別する。

 高級住宅街に住んでいるセレブとは思えない下品な発想だが、これこそが彼女たちの意識本音なのだから仕方がない。

 さらに理解しがたい嫉妬も。

「裕福な男性と離婚して、月に20万円の養育費をもらっているシングルマザー」は「らでぃっしゅぼーやの野菜宅配を頼んでいたら、ある日、宅配BOXに泥が塗られていた」というのだ。

 これは「母子家庭が高価な有機野菜の宅配を頼むなんて許せない、と感じた誰かがやった嫌がらせ」だったという。"格下"が偉そうなことをするな、というメッセージ──。

 さらに、"差別"の感覚も複雑だ。

「20代のママが同世代のママの家に行って、その家がタワーマンションでインテリアも素敵だったりすると傷つきます。だけれども、相手が40歳近い高齢出産ママなら許せちゃうんですよ。10歳以上の相手だと自分と比べないから」

 こう本書で語るのはママ雑誌編集者だが相手が経済的に格上でも年齢が上、つまり自分よりも"劣って"いれば許せるものらしい。

 ママ社会は一見同じ価値観を持った者たちの集まりだが、実は密かに相手を観察し、値踏みし、格付けをする世界。そして格付けの基準は経済事情、年齢、シングルマザーか否か、保育園ママか幼稚園ママか...と実に様々な分野に及ぶのだ。

 そして江角や長嶋妻が子どもを通わせる名門青学は、著名人やセレブが多く、そのためママ差別も激しい。親や祖父母の職業出自、住居、車、服装、出身地といった様々な要因で区別され、差別されていく。こうした環境の中、女優として成功した地方出身の江角は、その気性も相まって他のママにとっては目障り的存在だったことは想像に難くない。

 ブログで告白したことが発端で、その後メディアを巻き込んだ大騒動、情報戦の様相さえ呈している今回のママ友いじめ事件。"つぶやいた"江角にとっては大きな代償となってしまったことだけは確かだ。
(寺西京子)