浙江省台州市警察によると、偽札密造グループを摘発し、記番号がM3W96で始まる100元の偽札“額面”824万元分を押収した。中国ではその他の偽札も出回っており、技術面でも向上している。インターネットでは、偽札の販売を謳(うた)うページが多数存在するという。“業者”のひとりは、商品サンプルの品質を確認した上で、代金は銀行口座に払い込むよう要求した。新京報などが報じた。

 記番号がM3W96で始まる偽の100元札は北京、山東省、広東省広州、遼寧省など多くの地域で見つかっている。浙江省では、M3W、M35などで始まる偽札も見つかっており、警察が市民に注意を呼び掛けている。

 同省台州市の場合、2013年後半から、偽札をつかまされたとの通報が相次いだ。今年(2014年)になってから通報はさらに増加した。4月末までに通報は800件を超えた。

 新京報の記者が7月初旬、大手検索サイトの百度(バイドゥ―)を使って「北京 出售 假幣(北京 販売 偽札)」の語で検索したところ、偽札の販売を謳うページが多数存在することが確認できた。販売価格は偽の100元札1枚に対し、平均で3.6元だった。「最も高価な偽札」は12、3元だったという。

 ウェブページにはいずれも、携帯番号や連絡用のアドレスがしるされていたという。

 ためしに「長期批発商(長期卸売業者)」とのアカウント名で「偽札販売ページ」を開設している者に電話で連絡すると「実際に会っての取引。取引場所は相談で。現物を見てから金を支払えばよい」と言われた。

 さらに詳しい説明を求めたところ「取引には2人が参加してほしい」と言われた。2人が同一行動をするのではなく、「1人は、偽札の引き渡し場所に偽札識別機を持参してほしい。もう1人は銀行に行ってほしい」と求められた。

 「長期卸売業者」は「われわれが販売している偽札は、識別機の90%以上が本物と判別する。銀行が作っている識別機は無理だが、普通の識別機なら問題ない」と説明。取引の際には「持参した識別機で確認してほしい。真札と判定されるなどで納得したら、銀行にいるもう1人に『カネを振り込め』と指示してもらう。こちらは入金が確認されたら、その場で偽札を渡す」と言ったという。

 記者は電話で、取引場所と日時を約束した。しかし相手はあらわれなかった。何度か連絡を取り合ったが、いずれもうまくいかなかった。最後の連絡では「あんたらは警察じゃないかと思っている。取引はやめだ」と、一方的に電話を切られたという。

 中国ではしばしば、警察による偽札密造・販売グループの摘発が発表される。しかし、偽札事件はいっこうに後を絶たないのが実情だ。(編集担当:如月隼人)