新生日本代表の初陣だ。メキシコ人のアギーレを監督に迎えた日本代表が、親善試合のウルグアイ戦(9月5日・札幌)、ベネズエラ戦(9日・横浜)を行なう。

ブラジルW杯で惨敗しただけに、新監督がこれからどうやって日本代表を立て直していくのか、注目している人も多いだろう。

特にアギーレの場合、岡田武史、ジーコ、オシムら過去の日本代表監督と違って、監督就任まで日本ではあまり知られた存在ではなかった。また、ビッグクラブでの優勝経験があったザッケローニのように、世界的に名前の知られた指導者でもない。だからこそ、ファンやメディアはもちろん、選手たちも、彼はどんな監督なのか、どんなサッカーを目指すのかと楽しみにしているはずだ。

とはいえ、今回の2試合については、準備期間があまりにも短すぎる。アギーレは来日してからまだ1ヵ月もたっていない。Jリーグを視察したり、ビデオでの情報収集はしているだろうけど、そんな短期間にすべての選手の特徴や性格を把握するなんて無理。本音では、彼もどうしたらいいか、困っているんじゃないかな。

代表初選出が5人もいるなど、あれこれいわれている招集メンバーについても、おそらく日本サッカー協会がリストアップしたもので、アギーレの考えはそれほど反映されていないんじゃないかな。

だから、この2試合に関しては、勝った負けたで一喜一憂する必要はないし、僕も「勝たなければダメ」と言うつもりはないよ。

まあ、試合の位置づけとしては、“強化”というよりも、協会による“新監督お披露目イベント”といった感じだね。

かといって、大敗されても困るんだけど、アギーレが選手や環境を自分の目で確かめて、今後のチームづくりの判断材料にしてくれれば、それで十分じゃないかな。

それでも今回、彼に何かを期待するなら、試合中の采配、チームの雰囲気づくり、メディアへの対応など、どんなことでも構わないから、「おっ、ザッケローニとは違うな」というところを見せてほしい。どこかで自分らしさを出してくれればと思う。

あと、個人的には、アギーレと通訳との呼吸にも注目したい。ちゃんとした通訳がつくかどうかは非常に重要だからね。

過去の代表監督の通訳は、最初はみんな苦労していた。しかも、アギーレは熱くなりやすい性格といわれているから、今後、感情的な言葉や汚い言葉を口に出す機会もあるかもしれない。そうした場面で、通訳がどういう言葉を選ぶかによって、監督の印象や評価はガラリと変わってしまう。その点、トルシエのときの通訳だったダバディなどは、実にいい仕事をしていたけど、果たして、新しい通訳はどうか。

スペイン語とポルトガル語は似た言語だから、僕は彼の言っていることがなんとなくわかる。試合後の記者会見もしっかりチェックするつもりだ。

いずれにしても、アギーレジャパンの本当の意味でのスタートは、10月の2連戦(10日vsジャマイカ戦・新潟、14日vsブラジル戦・シンガポール)になる。そこからは、アギーレもしっかりと自分の色を出して、新しいメンバーもどんどん試してほしいし、僕もまた厳しい目で見ていくよ。

(構成/渡辺達也)