予備校大手の代々木ゼミナール、通称「代ゼミ」が、校舎の7割を閉鎖すると発表し、大きな話題となっている。ただし、今回の騒動を単純に「代ゼミの凋落」と見るのは早計だ。受験人口が先細りしている以上、大学受験ビジネスは斜陽産業といわざるを得ない。代ゼミはそこから最初に抜け出して次の展開を見据えている。
 
「駅前の一等地の校舎を売却するので、経営的に危うくなることは考えられない。むしろタイミング良く不採算部門を整理したといえる」(森上教育研究所大学情報研究会・後藤健夫氏)

 教育ビジネスで今後の主戦場となるのが中学・高校受験だ。大手予備校では河合塾が日能研と提携し、東進ハイスクールは四谷大塚を買収。代ゼミも2009〜10年にかけてSAPIXを傘下に収めた。後藤氏が続ける。

「SAPIXは中学受験で圧倒的な強さを持ち、成績上位層をほぼ独占的に獲得しています。要は代ゼミが大学受験でターゲットにしていた私立文系志望のような成績中下位層を切り捨てるモデルです。事業的にかなりのダウンサイズになりますが、ターゲットを成績上位にしぼったほうが収益はあがるという判断です。

 授業料を高額に設定しても、最難関校を目指す富裕層の親相手ならビジネスになる。大学受験の予備校も完全に撤退するわけではなく、将来的にはSAPIXで育った成績上位層が大学受験でまた通おうと思うような“新たな代ゼミ”に変えていくのでしょう。少数精鋭の新しいビジネスモデルには大教室がたくさんある校舎はいらないわけです」

※週刊ポスト2014年9月12日号