電動フォーミュラカーレースFormula Eは9月13日開幕。ネット投票で上位選手は5秒間ブースト権を獲得

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初の電動フォーミュラカーによる選手権、フォーミュラ E が9月13日に開幕します。ハリウッドスター、レオナルド・ディカプリオが共同オーナーを務めるチームの参戦や、インターネット投票で人気を得たドライバーのマシンだけに出力アップのチャンスを与えるなどの新機軸もあり、注目のシリーズとなりそうです。
 

 数あるレーシングカーのカテゴリーのなかでも、フォーミュラカーは速く走るためだけに一切の無駄を省いて作られた車両を使います。メジャーなところではカーレースの最高峰 F1 や、インディ500マイルレースで知られる米国のインディカー、日本のスーパーフォーミュラなどがあります。

フォーミュラ E は FIA(国際自動車連盟)が設立した、電動フォーミュラカーによる初の選手権です。燃料を一切使わず、エンジンのかわりにモーターでマシンを駆動します。
 

 
フォーミュラ E に参戦するのは10チーム。2カー体制が義務付けられ、20人のドライバーがエントリーします。

フランスのヴェンチュリーチームは、環境保護に熱心なことで知られるレオナルド・ディカプリオが共同オーナーに名を連ねます。もしかすると、レース当日にはディカプリオ本人も姿を現すかもしれません。もちろんドライバーにもF1経験者のニック・ハイドフェルドら実力者を揃えています。

ほかにも元F1ドライバー鈴木亜久里氏をチェアマンに迎え、かつてのスーパーアグリF1チーム首脳陣が再結集したアムリン・アグリチームや、米国レース界の強豪アンドレッティチーム、トヨタF1で活躍したヤルノ・トゥルーリがオーナー兼ドライバーを務めるトゥルーリ GP チームなど、バラエティ豊かなチームが揃いました。
 
 
 
レースを面白くするための新しい試みである Fan Boost も話題のひとつです。レース前にインターネットを通じてドライバーの人気投票を行い、より多くの人気を得た上位3人のドライバーに対して5秒間ずつ、マシン出力をアップする権利「Fan Boost」が与えられます。

マシンの出力は、レース中は150kW(約205PS)に制限されますが、Fan Boost を使えば、これを180kW(約245PS)にまで引き上げられます。Fan Boost を獲得したドライバーは、ここぞというときに使うことで順位をあげたり、後続を引き離すことができます。

Fun Boost ルールに対しては、一部の評論家などから「スポーツとしての純粋性に欠ける」という批判もあるようです。しかし、インターネットを通じたファンの応援が直接レースに作用するため、エンターテインメントとしてはなかなか面白いものとなりそうです。

なお、Fun Boost の投票締め切りはレース当日。ファンが投票できるのは1人までですが、締め切り前なら変更も可能です。そして、Fun Boost 獲得ドライバーがわかるのはレース開始20分前。フォーミュラ E のウェブサイトおよびFacebook、Twitterなどを通じて発表されます。

ちなみに、9月13日開催の開幕戦「北京 ePrix」の Fan Boost 投票はすでに始まっています。
 

 
フォーミュラ E のもうひとつの画期的な試みに、バーチャルレースがあります。コンソール型ゲーム機向けにフォーミュラ E のゲームソフトを開発し、これを使って選抜されたゲームプレイヤーとフォーミュラ E 参戦ドライバーがオンラインでレースを戦う企画です。

バーチャルレースはまだ検討段階であり、導入されるにしても2015〜2016年シーズン以降の話となります。フォーミュラ E のアレハンドロ・アガグ CEO は今年はじめ、バーチャルレースを「選手権の正式な1戦として開催することも考えている」と語っていました。

ちなみに、この8月には Xbox One の人気ソフト Forza 5 が追加コンテンツとしてフォーミュラ E マシン Spark-Renault SRT_01E のデータを無料配信しており、開幕戦に先駆けて Formula E をドライブできます。
 

フォーミュラ E 選手権シリーズは9月13日に北京で開幕し、2015年6月27日のロンドンまで、全10戦で争われます。すべて一般公道を使った特設コースで行われ、なかにはF1モナコGPのモンテカルロ市街地コースや、アメリカの伝統あるロングビーチ市街地コースも含まれます。

フォーミュラ E には、クァルコムやルノー、アウディなどがレース運営やチーム支援のために参加しています。将来につながる技術開発としての側面も見込んでいるとされていますが、ここに日本企業の名前が皆無なのは残念なところ。EV のレースは自動車メーカーだけでなく、電機メーカーにも技術アピールのチャンスがあるはず。もっと日本からも参加企業が現れてほしいものです。