スタバ、ゴディバにミスドまで 「月餅」商戦がアツい!

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もうすぐ中秋の名月。日本では月見といえば団子だが、中華圏では圧倒的に月餅(げっぺい)が食される。

月餅とは、月に見立てた丸い形で、表面に文字等の模様があり、中に餡がぎっしりつまった中華菓子のこと。残念ながら日本では、コンビニのパン売り場の端の方か中華街くらいでしか見かけないが、中国・香港・台北など中華圏では、この時期の贈答品として定番化している。
個人で贈り合うこともあるが、中国大陸では法人の贈答用途がかなりの割合を占める。取引先へ贈るのはもちろん、従業員へ福利厚生の一環として月餅引換券を配る習慣があるのだ。この時期、月餅販売店には長い行列が出来ているが、購入目的の客よりも会社からもらった券の引き換え待ち客の割合が多いくらいである。

さて、季節商品として定番化すればするほど、いろいろバリエーションが出てくるのが現代。恵方巻きが全国的に定着してから、恵方巻きロールケーキなどの便乗商品がたくさん現れたように、2000年以後、月餅もいろいろな会社が参入し、さまざまな種類が出現している。今回は、日本では買えないあのブランドの月餅を購入し、試食してみた。

まずはスターバックスの月餅。日本では、え、あのスタバが月餅? と思う方も多いだろうが、2003年頃から売られており、中華圏ではすっかり定番である。

△スターバックスロゴが刻印された色鮮やかな月餅。

△中には餡がぎっしりつまっている。

△高級感あふれるパッケージに入っている。

スタバの月餅は、国によって中身が異なり、また商品種類も複数あるのだが、今回、私が購入した月餅は、定番の味にひと手間加えたような感じ。皮がモカコーヒー風味だったり、中の餡がラズベリー風味だったりと、コーヒーのおともに食べたくなるような洋風の味である。さすが参入から時間が経っているだけあって、いろいろな意味で洗練されている。

続いてベルギーが誇るチョコレートブランドゴディバの月餅。

△月餅というよりは月餅っぽい形の豪華なチョコだ。

△中はこんな感じ。今年の味はフルーツ+紅茶・緑茶の風味で、なかなかの美味。

△中秋をイメージしたパッケージ

月餅とはかくあるべき、という定義は年を経るごとに曖昧になっており、ゴディバのこれも厳密に月餅かと言われれば、たぶんそうではない。(実際ゴディバも「月餅」とは言っておらず、「中秋贈答セット」という書き方をしている)

そして最後はミスタードーナツ。なんと、ポン・デ・ライオンの形をしたポン・デ・月餅である。

△噂のポン・デ・月餅。

△中はこんな感じ。餡に少しだけ風味がついている。

△パッケージは高級路線ではなく、カジュアルなイメージ。

2011年から台湾でポン・デ・ライオン型の月餅を発売しているミスド。昨年からは中国大陸でも売り出している。外観や味がかなりポップな台湾版に比べると、中国大陸版は伝統を守っていて、餡に少しだけ風味がついている感じ。ちょっとスタバに引きづられている感があるので、来年は、もっと突き抜けて欲しいところ。ヨーグルトクリームが入ってたり、フレンチクルーラーみたいにシロップがかかってたりしてもいいんじゃないかな。もはやそれは月餅じゃないかもしれないが。

今回は購入しなかったものの、この他にも、洋菓子月餅の先駆者ハーゲンダッツのアイス月餅や、高級ショコラティエのジャン=ポール・エヴァンのチョコ月餅などもある。さらには、各五つ星ホテルがそれぞれ趣向を凝らした月餅を販売していたり、マクドナルドまでが月餅を販売していたりと乱戦模様。来年も意外なブランドが月餅商戦に参戦してくるかもしれない。今から楽しみである。

△ハーゲンダッツのアイス月餅。

こういった月餅ネタは中国だけでなく、台湾、香港、シンガポール、マレーシアなど中華圏在住者の間では定番。同じスターバックスの月餅でも国や地域によって味や種類が違ったりするので、各国在住者の方のブログなどで各地域の月餅事情をご覧頂くのも楽しいだろう。

ちなみに中国では、上記で紹介したような「美味しい月餅」だけでなく「まずい月餅」についての話題も定番である。
今年、中国で一番話題なのは「チョコピリ辛牛肉月餅(巧克力香辣牛肉月餅)」。
外側の皮が甘いチョコレートで、中が四川料理風に痺れる辛さで味付けされた牛肉。想像するだけでまずそうだが、実際に売ってるそうである。
(取材・文/前川ヤスタカ)