ベネチア会見で流ちょうな英語を披露した加瀬亮

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 俳優の加瀬亮が現地時間2日、第71回ベネチア国際映画祭でオリゾンティ部門に出品されている韓国映画『自由が丘で』の公式会見に、主演俳優として出席した。

 メガホンを取ったホン・サンス監督、共演のムン・ソリ、キム・ウィソンと共に会見に臨んだ加瀬は、記者からの質問に対して流ちょうな英語で回答。クリント・イーストウッド監督やガス・ヴァン・サント監督の作品に出演してきた、国際派俳優としての一面をのぞかせた。

 共演者のキムが「わたしたちは、台本を撮影当日の朝にもらい、脚本の全てを暗記しなければなりませんでした。それが自分たちの出発点となるのです」と話すように、当日にならないとセリフがわからないというホン監督の現場。加瀬も「事前に準備をすることができないので、自分ができることは、自分自身でいるように努力し、自分に正直でいるようにすることだけでした」と当時を振り返った。

 本作は、加瀬演じる日本人青年が、思いを寄せる韓国人女性を追って訪れたソウルで繰り広げられる恋模様を描いた作品。自身の役柄について加瀬は「なぜそうなったのかはわかりませんが、不思議なことに、映画を観たとき、自分のキャラクターが自分自身に見えたり、ホン・サンス監督に見えたり、わたしたちと全く違う人物に見えたこともありました」とコメント。さらに「自分が演じたシーンのほとんどは、意識をせずに演じることができたと思っています」と続け、笑顔を見せた。
 
 以前からホン監督のファンを公言していた加瀬は、一昨年の監督来日時の対談をきっかけに意気投合し、本作に出演。ホン監督も「わたしは俳優を起用するとき、彼らとの関係をとても大切にする。加瀬からは、初めて会ったときから強い印象を受けた」と絶賛。会見中は、二人が談笑する場面が数多く見られ、息の合った映画作りができたことをうかがわせた。(編集部・森田真帆)

映画『自由が丘で』は12月シネマート新宿ほかにて公開
第71回ベネチア国際映画祭は現地時間9月6日まで開催