土地持ち企業の

国際会計基準適用で

含み益が表面化!

2020年の東京五輪開催に向けて、東京都市部を中心に再開発が始動し、不動産の含み益が株価を動かす材料として力を増している。これまでアナリストの試算などでしか把握できなかった土地の含み益だが、時価主義を徹底する国際会計基準(IFRS)の導入後は、資産や利益を大きく左右し、投資家の注目度が高まりそうだ。

兜町では今も、「含み資産」という言葉に少なからず拒否反応が残っている。1990年前後、東京湾岸部の土地持ち企業の株が「含み資産株」「ウオーターフロント株」と持てはやされて急騰し、その後のバブル崩壊で急落した苦い経験があるからだろう。

ところが、世の中がデフレからインフレに転じつつある今、含み益が再び脚光を浴びている。国際会計基準を適用すれば、保有不動産は時価で評価。しかも、売却しなくても、評価額が上昇すれば、利益として計上することになる。

「含み益相場」が来るとすれば、三井倉庫などの老舗倉庫株が本命だろう。財閥系企業は土地の取得原価がタダ同然に安く、含み益(時価との差額)だけで株式の時価総額に匹敵することもある。

また、老舗企業では片倉工業にも熱い視線が注がれる。世界遺産に指定された富岡製糸場(群馬県)を所有・管理し、輸出品である絹糸を通じて日本の近代化を支えた企業でもある。

さいたま新都心駅前の再開発エリアでは、12万7000平方メートルもの広大な土地を持ち、今は第2期開発が終盤に差しかかっている一方、第3期開発の計画もある。片倉工業は長い繊維不況を乗り切る過程で、不動産開発のノウハウを蓄積してきた企業だ。

牾┐防舛い織皀〞で終わりがちだったこれまでの含み益相場とは違い、簿価の低い不動産を活用した企業の利益成長を買う相場が期待できるだろう。(伊地知慶介)

老舗企業の土地は含み益たっぷり。時価主義を徹底した国際会計基準で決算書類を作り直せば、超割安銘柄に転じる企業が続出する。

この記事は「WEBネットマネー2014年9月号」に掲載されたものです。