コレだけは気をつけないと株で勝てない! 誰もがはまる怖〜い「株の落とし穴」とは?

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一度はまると、まるで蟻地獄のように脱出までに時間がかかるのが株の落とし穴。今回は、8月21日発売のダイヤモンド・ザイ10月号に掲載の恐怖の株の落とし穴10の中から5つを大公開。「日常生活の失敗」に例えながら、落とし穴とその解決策を紹介しよう。

日常生活の失敗と投資の失敗は酷似、
流行のテーマに騙されてはいけない!

 どうして株で儲けられないのか?――これこそが株の最大の悩みなのだが、実は知らないうちに「株の落とし穴」にはまっているケースが多い。そこで今回は「日常の失敗」に例えつつ、初心者も経験者もはまる株の落とし穴をピックアップした。

 最初の落とし穴は「夢や希望だけが先行するテーマ株」。たしかに旬のテーマの関連株は上がりやすいが、実は儲けるのは難しい。知らずに飛びつくとほとんどの場合火傷する。

 例えば、バイオ関連のナノキャリア(4571)は昨年5月の高値から4分の1以下まで下落した。将来への期待感から急騰したが、黒字化のメドが立たないことから一気に売られてしまったのだ。

 洋服の流行の変化以上に株式市場の流行は変わりやすく、一瞬で時代遅れになるケースもある。「週刊誌にこのテーマ株が熱い!」と紹介されたときには、勝ち組投資家はすでに次のテーマに飛び乗っているのだ。流行を乗りこなせればテーマ株は大きく儲けられるのだが、初心者には非常に難しい。テーマ頼みの投資からは卒業しよう。

 同様に危険なのが「ランキングだけで選んだ割安株」。例えば低PER株ランキングから選ぶ場合、今後もその業績を維持できるかを確認しよう。単純なランキングから選ぶのは、売れ残り品から宝を見つけるような作業。買ったはいいけど万年割安株のままだったり、最悪の場合は業績が下方修正され、さらに株価が下落するということもある。

 とはいえ、株価が実力に対して割安な銘柄を狙うのは投資の基本。本当の割安株は単純なランキングではなく別のところに隠れていると考えよう。

自分に甘い人ほど落とし穴に落ちる、
完成した選手より未完の大器を選べ

 ルールがない&ルールを守れない。投資では臨機応変も大事だが、それは中上級者になってから。まずは自分なりのルールを作って、それを守ることから始めてみよう。

 魅力的な株があっても少し割高だなと思えば、株価が下がるまで我慢する。万一、そのまま上昇してしまったら縁がなかったと思えばいい。上場銘柄は約3500、他にも魅力的な株はたくさんあるのだ。

 「銘柄にほれ込み1銘柄に集中投資」。これは2つの点で危険度大だ。まず恋愛や結婚と違い、銘柄にほれ込むのは意味がないということ。愛着を持ちすぎると、多少業績が悪くなっても手放しにくくなる。2つ目は1銘柄への集中投資は危険だということ。いくら大型株で優良企業でも、日本マクドナルドHD(2702)のように突然の不祥事で株価が急落するケースもある。

 買ったら放置で売りを考えないのも危険だ。買いと売りは1セット。含み損を抱えると、もう株価なんて見たくないという気持ちはわかるが、塩漬け株を作るのはNG。好業績銘柄でも株価が大きく上昇して割高感が出たら利益確定すべきだ。

 株価が今後どう動くかは、その企業の将来にかかっている。高校野球に例えると、完成型のピッチャーよりも、粗削りだけど将来伸びそうなピッチャーに投資したほうが、うまくいけば圧倒的にリターンは高いのだ。もっとも永遠に未完では意味がないのだが……。

 個人投資家はチャート好きな人が多いが、「チャートだけ」はあまりにも危険。超短期取引でなければ、業績は必ずチェックしよう。早すぎる利益確定と遅すぎる損切りもありがちだ。人間は利益は早く確定させたく、損はできるだけ確定させたくない生き物。勝率ではなく、トータルの儲けが大事なのだ。

 さらに、投資界のオオカミ少年にも要注意だ。過去の下方修正の実績や、業績の進捗率を見ればある程度は事前に被害は防げるはずだ。

 最後に、これらの落とし穴をまとめたので、じっくり読んで頭にたたき込んでから株に挑戦を。

落とし穴1
夢や希望だけが先行のテーマ株!

 中に熱々のスープが入っていることを知らずに、出来立ての小籠包をガブっといったら火傷する。同様に株でも話題だからといって、内容を吟味せずにテーマ株に飛びつくのはNG。

 例えば直近では、iPS細胞の話題もありバイオ関連株が急騰したが、ほとんどの銘柄はその後に急落。なぜなら多くのバイオ株は赤字で、黒字化の目途がないからだ。また、テーマ株は人気化しやすいので、割高な場合がほとんど。流行を追うよりも、本物を見極めることが投資でも大事なのだ。

落とし穴2
ランキングだけで選んだ割安株!

 見た目が豪華なお弁当を買って、中身とのギャップにがっかりした経験はないだろうか?

 「特売品」には多くの場合は安く売られるだけの理由がある。割安に放置されている株も同様で、ほとんどの場合は何かしらの問題が隠れている。特に単一の指標でのランキングの場合、本当に割安だったら海千山千の投資家が見逃すわけがない。いくつかの指標を組み合わせて本当の割安株を探すようにしよう。株価が安い銘柄には悪材料が潜んでいることも多いのだ。

落とし穴3
ルールがない&ルールを守れない!

 約束は一回破ると癖になる……。ダイエットでも投資でも大事なのはルールを決めて、それを守ること。例えば買値から10%下がったら損切り、と決めたなら、それを淡々と実行するべき。一度の過ちが命取りになる場合もあるのだから……。

落とし穴4
銘柄にほれ込み1銘柄に全額投資

 「愛する人と一生を添い遂げる」のは美しいが、就職や投資で実践してはダメ。

 かつては輝きにあふれていたソニー(6758)も今はアップルの後塵を拝しているように、企業の栄枯盛衰は世の常。銘柄への溺愛は禁物。ダメ会社にしがみつきアナタの人生を棒に振りますか?

落とし穴5
上場企業にもいたオオカミ少年!

 会社が発表する予想数字は重要情報だが、毎回のように業績を下方修正するオオカミ少年のような企業も。下方修正の常連企業や同業他社と比較してあまりにも強気な予想はまずは疑ったほうが無難。