園子温が吠える!「日本映画の奴隷になりたくない」 鈴木亮平主演『TOKYO TRIBE』
 園子温監督といえば『地獄でなぜ悪い』や『愛のむきだし』などでいつもぶっ飛んだ世界をみせる鬼才として有名。でも映画好きには常に新しいカラーの作品を打ち出してくる七変化監督としても知られている監督です。

 そんな園監督の新作『TOKYO TRIBE』が公開されます。井上三太の人気コミックを基にしつつ、園監督の色を打ち出した、鈴木亮平とヒップホップミュージシャンのYOUNG DAIS主演によるアクション・エンターテインメント。

 近未来のトーキョーを舞台に、ストリートギャングたちによる抗争が描かれるのですが、なんと出演者たちがラップでセリフを語るスタイルが取られているんです。

 なぜこんな斬新な方法が取られたのでしょう。というわけで、園監督にインタビューしてまいりましたよ!

◆演技派俳優と本物のラッパーたちが競演!

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「もともと俺はストリートファッションとかヒップホップとかって、全然興味がなかったんだよ」という監督。

「でも新宿や、池袋、練馬なんかには本物のラッパーのトライブ(族)たちがいるってことを知って。実際に会ってみたら、役者たちじゃなくてこいつらをそのまま出しちゃえば、めちゃめちゃおもしろくなるんじゃないかって思ってさ。よし、ラップ・ミュージカルだ! と」

 そして映画と同様、普段はそれぞれのエリアを守っているトライブたちが、園監督のもとに結集した。

「彼らも俺の作品を観てたりするわけ。この映画用に作ってもらって歌っているラップのライム(韻)の中にも、“冷たい熱帯魚”(←園監督実演中。監督の犯罪サスペンス映画タイトルから引用)っていう一文が入ってたりして。字幕をつけたときに気づいて恥ずかしかったんだけどさ。好きだって言ってくれるヤツは多かったね」

 もちろん役者たちもラップを披露。『ヒミズ』、深夜ドラマ「みんな!エスパーだよ!」で組んだ染谷将太さんは、自由にエリアを行き来する映画オリジナルの役、謎の語り部として登場。

「この映画にはゴリゴリした男たちがいっぱい出てて嬉しいんだけど、そういう男たちの中に、この世の者なのかも分からない流浪の存在が、周りをふらふらしててくれたらいいなって。その役目は染谷しかいないなと。

ラストも悩んだんだよね。染谷が“そして、全ては、終わったさっ♪”とか言いながら、背中を向けて別の街に去っていくっていう設定も考えたんだけど、それじゃ染谷の映画になっちゃうからね(笑)」

 さて、『紀子の食卓』の吉高由里子、『愛のむきだし』の満島ひかり、『ヒミズ』の二階堂ふみと、園監督はこれまで幾人もの若手女優を発掘してきた目利き。

『TOKYO TRIBE』のヒロイン、清野菜名さんも今後が期待できる逸材です。

「俺、決めるの早いんだよね。清野さんもオーディションで部屋に入ってきて1分しないうちに、『君がヒロインやって』って勝手に決めちゃって。周りのみんなは、ちょ、ちょっとって慌ててたんだけどさ(笑)。本当は彼女、すごく端役のオーディションで来てたんだよ。でもアクションも凄いし、ヒロインができる子だと」

 そして清野さんの起用は、さらなる才能発掘へと繋がることに。

「清野さんに道場に通ってもらったとき、隅っこに見たところ小学生の男の子っぽい身体能力がすごいヤツがいてさ。あいつはなんなんだって聞いたら、『男の子に見えるかもしれませんが、高校生の女の子で坂口茉琴って子です』って。

で、これは清野さんと組ませたら百鬼丸の後をくっついていく“どろろ”みたいなおもしろいことになるぞと。しかもそいつが意外と強いっていう。結局、いきなりバシーンとトップシーンから登場する、これも映画オリジナルの役になったんだよ」