Resistar Records主催のイベントツアー「治外法権VOL.4」を今夏も開催された。

8月28日、これまでで最大の会場となるZepp DiverCityでファイナルを迎え、DOG inTheパラレルワールドオーケストラ、BugLug、Blu-BiLLioNの所属3バンドが、三者三様に今年一番の熱いステージを繰り広げた。


PHOTO:河井彩美 (AY-Beatrium)

トップバッターのBlu-BiLLioNは、ミケ(Vo)の「東京帰ってきたぞ! 誰よりも楽しめよ!」という、いつにも増して威勢のよい第一声を皮切りに、メンバー6人で広いステージを伸び伸びと使ってパフォーマンス。武器であるメロディの良さを活かし、爽やかな歌モノだけでなく、2週間前にリリースされたばかりの新曲『GARDEN』を筆頭とする情熱的なライブチューンでもフロアの心を鷲掴みにする。深みと厚みを増したアクトは、バンドとしての確かな成長の証し。9月12日・なかのZERO 大ホールワンマンへの期待を、大きく膨らませてくれた。

続くBugLugは「今日で終わりなんだよ! 終わりってことは騒ぐしかねーだろ!」と、持ち前の激しさを存分に叩きつけるステージを展開。オーディエンスに容赦なく声を求めながらも、9月24日発売のシングル『JUGEMU』から『THE DEAD MAN’S WALKING』を先行して披露し、フリ講座でゾンビポーズを繰り出す等、お茶目な一面でも楽しませる。ギミックの利いたスタイルを正統派のロックプレイで具現化する様は、まさしく今年のスローガン“ぶっちぎり”そのもの。リリース後の全国ワンマンツアー、そしてファイナルに控える11月30日・TOKYO DOME CITY HALLでは、さらなる飛躍が見られそうだ。

トリを務めたDOG inTheパラレルワールドオーケストラは、某時代劇のテーマによるスタートといい、華やかな和服衣装といい、全員でボーカルを取る『Doggy’s Party!!』でのハチャメチャぶりといい、エンターテインメントに徹し切ったライブで、ひたすら“客席をハッピーにする”ことに専念。心と身体を自然に躍らせる良質のポップチューンに愛らしさと切なさをない交ぜにして、観る者の胸に不思議な幸福感を染みわたらせる。ラストの最新シングル『祭izm』ではフロアにも扇子が舞って、素晴らしく艶やかに締め括り。11月10日の舞浜アンフィシアターワンマンへと続く、華やかなパレードの入口を切り拓いた。

3バンドのライブアクトに続いては、16人のメンバーをシャッフルした「治外法権」名物のセッションも3組登場。それぞれのボーカリストが他2バンドの曲を歌い、新たな魅力を覗かせたが、ここでもサプライズが続出した。全員なんと浴衣姿で夏のヒット曲で入場し、ボーカル陣がお互いの煽りを物真似し合ったり、Blu-BiLLioNのmagがDOG・準々の得意技である背面でのギタープレイを披露したり。BugLugの優(G)に到ってはteru(Blu-BiLLioN/Key)のピアノ伴奏で「Get Wild」を歌唱したあげく、演奏中に浴衣からミズキ(DOG/G)の私服へと早着替え! まさにバンドの枠を超えたココでしか観られないシーンが次々に飛び出して、ライバルであり仲間でもある彼らの結束の固さ、そこから生まれる向上心こそが彼らをさらなる高みへと押し上げていることを実感させた。

また、終演後には来年1月4日にResistar Records PRESENTS「治外法権-新春だょ全員集合!!-2015-」が渋谷公会堂で行われることも告知された。年明けの“治外法権”は毎年恒例だが、ホールで行われるのはこれが初。拡大を続ける“治外法権”、そしてResistar Recordsから、果たして何が飛び出してくるのか? 来年も目が離せそうにない。