JAF公式サイトより

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 2014 FIFAワールドカップブラジル大会で惨敗を喫した日本代表が、ハビエル・アギーレ監督の下、新たなスタートを切る。昨日、9月5日に札幌で行われるウルグアイ戦、9日に横浜で行われるベネズエラ戦のメンバーが発表された。

 メディアの注目を浴びているのは「イケメンの現役慶應大学生」と話題になっているFW武藤嘉紀だが、あくまで「ケガの影響で呼んだ選手」とアギーレ監督が説明したように、MF香川真司を招へいできなかったための代わりである。それよりも注目すべきは、サガン鳥栖のDF坂井達弥やヴィッセル神戸のMF森岡亮太など、機動力のある選手が選出されたことだろう。アギーレ監督は選考基準について、「仲間と協力的で責任を果たす」「質の高さ」「走れて戦える選手」の3つを挙げているが、それが如実に反映された格好だ。

「サッカーの試合は90分ある。実際にプレーされている時間は45分前後。それ以外の半分は、例えばレフェリーが笛を吹いてプレーが止まっている、スローインになっているなどの(プレーされていない)時間。そして、ピッチには22人いる。ボールは1個。平均を割り出すと、1人2分間ボールを持つ。残りの88分のボールを持っていない中で、その選手は何をしているのか。私はそこを見ている」(アギーレ監督)
 
 これこそ、MF長谷部誠が選ばれて、MF遠藤保仁が選ばれなかった理由であり、さらにいえば、MF中村俊輔が日本代表に復帰する可能性は限りなくゼロになった。アギーレ監督の過去の実績から見ても、「ボールを持ってから何をするか」ではなく、「ボールをどのように奪うか」に重きを置いている。ブラジル大会では守備が崩壊したが、アギーレ監督のチームがあのような形で惨敗することはまずないだろう。世界相手にも、高い位置からのプレッシング(前線からの守備)を体現するはずだ。

 一方で、不安な点もある。ポゼッション(ボールを保持)しながら、ピッチをワイドに使った攻撃ができるかどうかは未知数で、攻撃面でいえば、ザッケローニ前監督にやや分があるかもしれない。

 しかし、日本サッカー協会(JFA)は、それ以上にアギーレ監督の性格に懸念を抱いているらしい。アギーレ監督は、JFAが手を焼いたフィリップ・トルシエ前監督並みに気性が荒いことで有名。JFAは、あまりにも手に負えなくなった場合を想定し、2年後に監督を交代することも視野に入れているというウワサもある。コントロールしやすかったザッケローニ前監督とは違って、JAFの言うことを聞かない可能性があるからだ。たとえば、親善試合の時期や場所、選手の招集、アジアサッカー連盟の審判のレベルをめぐって一悶着起きそうな気配だ。

 とはいえ、トルシエ前監督のようなタイプはメディアからすれば大好物。アギーレ監督はいろいろな意味で、話題を提供してくれそうである。