「光学迷彩」が近づいた? 光で縫い上げるメタマテリアル素材

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ケンブリッジ大学の研究チームは、光の反射を制御できる「メタマテリアル」を、ナノ粒子を光で数珠つなぎにすることで構築する技術を研究している。

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ケンブリッジ大学研究チームのおかげで、「透明マント」の実現に一歩近づいたかもしれない。同チームは、その素材を光によって作製する技術を研究しており、成果を『Nature Communications』誌に7月28日付けで発表した

ほとんどの物質は、ただ光を吸収するか反射するだけだが、光と材料との相互作用を制御することで透明マント効果を得られる可能性がある。「メタマテリアル」は、光を自然の状態とは異なる方向に反射するため、材料を見えなくする効果を持つ。ケンブリッジ大学の研究チームは、このようなメタマテリアル素材を、構成要素となる微小な物質(直径が1mの数十億分の1)を光で「数珠つなぎ」にすることで構築する技術を研究している。

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リリースによると、そのプロセスは、集束させないレーザー光を数十億本の「針」として使用し、それで金のナノ粒子を縫い合わせて長い紐状にするというものだ。そしてこの紐を、「レゴブロックのように」積み上げていくのだという。

粒子を電子的につなぎ合わせるために研究チームが利用したのが、樽のような形をした分子「キューカービチュリル」(cucurbituril、CB)だ。このCBを「スペーサー」として使用し、粒子間の距離を正確にとることによって、プロセス全体の制御を可能な限り容易にしている(キューカービチュリルとは、グリコウリル(glycouril)という単位が5〜10個環状に連なって環になった化合物。内部空間に小さな有機分子を取り込む性質があり、超分子化学のホスト分子としてよく使われる)。

この分子を用いることで、ナノ粒子の紐は「整形可能な状態」になると、研究チームは述べている。その後、超高速レーザーをナノ粒子に照射すると、金属表面に電子の波(プラズモン:プラズマ振動の量子。金属中の自由電子が集団的に振動して擬似的な粒子として振る舞っている状態)が発生する。

これらの振動する電子とレーザー光が相互作用し、これによって光のエネルギーが、表面にある原子に集中する。このことで、これらの原子がまとまってナノ粒子の間に「ブリッジ」を形成する。レーザーが急速に繰り返し照射されることで、何十億ものブリッジが構築され、ナノ粒子の長い紐を迅速につくり出すことが可能だという。

「われわれは、これまでには不可能だったような次元で制御を可能にした」と、研究チームのヴェンツィラフ・ヴァレフ博士は述べている。「このレヴェルの制御は、幅広い実際的な応用につながりうる」

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