中国新疆ウイグル自治区のニュースサイト、新疆天山網が22日、「非凡な勇気と知恵でテロリストを追い込んだ」60代男性について紹介した。中国当局がテロ対策として一般市民にも警戒、対応を求め、通報を促す動きがあり、今回の男性のニュースは「一般市民のお手柄」として、中国の各メディアが次々と転載した。

 天山網の報道によると、この男性は同自治区西部、カシュガル地区疏附県の村に住んでいる。7月のある日、「村にテロリストが来た。注意を」との知らせを受けて、村民たちは警戒。逃げ出した牛を探して外出していた男性は、林の中から慌てた様子で飛び出してきた人物を見かけて、テロリストではないかと疑った。男性が「牛を探しているんですが、見ませんでしたか?」などと声をかけると、この人物は「見ていない。道に迷ったので大きな道まで案内してくれないか?」と話したという。

 男性は村民でもないこの人物がいよいよ怪しいと感じ、「もてなしたいので、家にどうぞ」とうそをつき、村の警備室に連れて行った。そこでこの人物は拘束され、ほかに5人の仲間がいることを自供。警察が薬品や刃物などを持って移動していた5人を探し出し、拘束した。いずれも新疆ウイグルを拠点とするテロ組織のメンバーとみられるという。(編集担当:古川弥生)