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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は8月22日、東京都・浅草公会堂にて、若田光一宇宙飛行士の「国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在ミッション報告会」を開催した。

サブタイトルを「『聞く』『任せる』『実践する』若田船長の仕事術」とした同報告会には、約1000名が参加。宇宙における日本の技術の活躍ぶりや、若田宇宙飛行士のISSにおけるコマインダー(船長)としての仕事の様子に聞き入っている様子であった。

若田宇宙飛行士は、2013年11月7日の打ち上げから188日間に及ぶ「第38/39期 ISS長期滞在ミッション」に参加。第39期では、日本人初となる船長を務めたほか、滞在中には、超小型衛星放出ミッションや民生品4Kカメラシステムの技術実証などの各種実験・検証を行い、5月14日地球へと帰還した。

今回の報告会において同氏は、7月29日に実施された「日本帰国後初となる記者会見」と同様に、自らが船長に選出された理由を「有人宇宙開発活動における日本への信頼感が高まったこと」と説明。映像を交えた活動報告では、日本の技術や筑波の管制官の活躍を交えながら語った。

日本の宇宙船で届けた10cm四方の超小型衛星「こうのとり」や、リトアニアやペルーの初衛星機を含む約33機の衛星機の放出作業では、きぼう日本実験棟にあるエアロックを通して衛星を放出装置に設置し、それを筑波の管制塔が遠隔操縦するロボットアームを用いて放出した例をあげ、「同様の作業は、きぼうでのみ可能」とした。

また、同氏は、滞在中に故障した機体外部のアンモニア冷却装置を交換する船外活動において、ヒューストンにあるミッションコントロールセンターより星出彰彦宇宙飛行士が通信役として作業を支援したことや、アメリカのシグナス宇宙船がISSへと近づく際の通信装置が、こうのとりで開発された技術で、筑波宇宙センターの管制官がドッキングの支援を行ったことなどを説明した。

同報告会には、JAXA理事長の奥村 直樹氏も登壇。来場者に向け、「若田宇宙飛行士の功績を称えるとともに、同氏の功績が日本国民に勇気と希望を与えたと確信している」としたほか、「このような宇宙開発事業に支援と理解をくれる国民のみなさんに感謝している」と想いを語った。

なお、報告会の後半では、作家・エッセイストの阿川佐和子氏や、サッカー日本女子代表(なでしこジャパン)監督の佐々木則夫氏も交えたトークセッションも実施。星出宇宙飛行士は、コマインダーとしてコミュニケーションの重要性を強調した。

「宇宙飛行士は皆、やる気のある人ばかり」としたうえで、文化や育った環境、価値観、体力などの違いに対し、「時には自らの弱みもさらけ出したり、意見を主張することも必要。立ち位置を含め、互いを理解するための会話を設けるなどのコミュニケーションが大事だ」と自らの考えを述べた。

なお、同氏は、8月23日にアメリカへと出国しているが、秋に、再び日本で報告会を開催する予定だとしている。

(原田綾子)