夏の盛り、大相撲界をにぎわせ騒がせた、2人の元親方が亡くなった。この相次いだ訃報に、関係者は複雑な表情を見せている。

 1人目は平成19年6月に起きた力士暴行死事件で相撲協会を解雇され、懲役5年の実刑判決を受けて服役していた前時津風親方(元小結双津竜)の山本順一氏だ。この事件、17歳の序ノ口力士が稽古中に死亡し、不審に思った両親が遺体の解剖を依頼したところ、集団暴行の事実が発覚したという凄惨なもの。
 愛知県警は師匠の山本氏と暴行に加わった3人の力士を逮捕。3力士は執行猶予付きの有罪が確定して相撲協会を解雇され、無実を訴えて最高裁まで争った山本氏も有罪が確定し、平成23年に服役した。収監後、間もなく体調を崩し、肺がんと診断されて三重県内の病院に入院していたという。
 「病状が悪化し、都内の大学病院に転院したのは7月中旬。転院後しばらくは元気で、知人や昔からのタニマチらが密かにお見舞いをしていたようですが、8月12日未明に息を引きとりました。64歳でした。収監された後、奥さんとも離婚。あんな事件を起こしていなかったら一門の重鎮として理事にも選出され、葬儀も盛大に執り行われていたはずです」(協会関係者)

 同じ8月12日、昭和50年名古屋場所で平幕優勝、歯に衣着せぬ言動で“ホラ吹き金剛”というニックネームを付けられファンに親しまれた前二所ノ関親方(元関脇金剛)の北村正裕氏も、脳梗塞で亡くなった。65歳だった。
 「北村さんは27歳の若さで引退後、名門・二所ノ関部屋を継承。弟子育成の傍ら平成20年から理事を務め、放駒理事長(元大関魁傑)とコンビを組んで八百長問題の事後処理に当たるなど、協会の中枢で活躍しましたが、平成24年に脳梗塞を発症。部屋運営もできなくなったため、昨年の1月限りで部屋を閉鎖、自分も定年の5カ月前に退職しました。この裏に財産を巡る争いがあったとも噂されています。こちらの葬儀も家族のみでひっそりと執り行われました」(同)

 何とも寂しい最期だ。