シンセドキュメンタリー映画「ナニワのシンセ界」初上映会レポート。9月には大阪でも開催

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8月24日、ドキュメンタリー映画「ナニワのシンセ界」の上映会が渋谷 UPLINK で開催されました。独特の文化を醸造してきた大阪のシンセシーンを紹介する映画で、一般向けとしては今回が初公開です。上映後に行われたトークショーでは marimoRECORDS の江夏正晃 氏 が即興演奏を、歌うシンセ女子 Risa 氏 も新曲を披露しました。
 

 
 
映画「ナニワのシンセ界」は、大須賀淳監督が「日本の電子音楽シーンをもっと国内に、そして世界にも知ってもらいたい」との思いから制作した、日本初のシンセドキュメンタリー映画。

映画冒頭に現れるのは、「箪笥(たんす)」の異名をとる MOOG 3C を自作してしまったというエピソードを飄々と語る REON の荒川伸 氏。REON は、NAMM ショウなどにも製品を出品している大阪のアナログシンセメーカーです。大須賀監督によると、荒川氏との出会いが、大阪のアナログシンセを題材とした映画を作るきっかけのひとつだったとのこと。

本編では荒川氏のほか、見るからに濃い大阪のシンセ界隈に棲む人たちが、次々と現れては興味深いエピソードを語ります。たとえば、店のマスターが毎日の仕込みでシンセのパッチングをしているという一風変わった蕎麦屋の電氣蕎麦、神楽とシンセを融合させたという神職ミュージシャンの久次米一弥 氏 etc。ただ見ているだけでも、映画が終わる頃にはアナログシンセという楽器に興味が湧いてくるドキュメンタリーとなっています。

上映終了後は大須賀監督をはじめ、marimoRECORDS の江夏 氏、大阪のシンセ女子 Risa 氏、さらに映画にも登場するスタジオD.C の鈴木啓三 氏が登場。トーク形式で「ナニワのシンセ界」制作時のエピソードを語りました。

江夏氏は、シンセプレイヤーとして関西でもほとんどのシンセイベントに顔を出しているそう。大須賀監督は、「江夏氏はどこにでも現れるためとにかくカットするのが大変だった」と会場を沸かせました。さらに江夏氏はREON のシンセの特徴を紹介し、「自分にとってREONのシンセはレコーディングなどに必要不可欠な存在」などと語りました。
 

 
Risa 氏は、関西のアナログシンセイベント「シンセ温泉」の場で、撮影中の大須賀氏に声をかけられた話を紹介。大須賀監督の第一印象は「危ない人かと思った」とのこと。歌手としても活動中で、トークの最後には江夏氏プロデュースによる新曲「I'm Synthesyzer Girl」を披露。会場の客層がいつもと違い、少々やりにくかったようですが、イベント終了時には CD を手にサインを求めるファンの姿もありました。

イベントを締めくくるのは江夏氏による即興プレイ。複数のアナログシンセが発する音のカオスの中から、次第にリズムが生まれ、グルーブへと変わっていく演奏に観客も聴き入っていました。
 

 
機材面での注目は、デモ演奏で使われたアナログシンセサイザー。映画にも登場する大阪のシンセメーカー REON の Driftbox シリーズがズラリ。そして、それらを束ねて同期させる白い筐体のRMS-1。これは江夏氏が直接 REON の荒川氏に頼み込み、1週間で作ってもらったという品。左端には J.M.T Synth の作品も。

さらに、会場入口には1960年代に発売されたエース電子のアナログリズムマシン ACE TONE FR-3 と、ナショナルのリズム発生器 RD-9844 が、やや小さな音でデモ演奏をしていました。
 

なお、映画「ナニワのシンセ界」上映イベントは9月15日にも、映画の舞台となった大阪の Live Bar D.III での開催が決まっています。大阪では映画に登場する面々が、数多くゲスト参加の予定。今回の東京でも終始和やかな雰囲気でしたが、大阪ではさらにフレンドリーなイベントとなりそうです。会場のシンセに触れるチャンスもあるかもしれませんので、気になる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。