地球に衝突する小惑星をやり過ごすための物理学

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自転があまりに速いため、本来、小惑星1950 DAは重力だけではかたちを維持できないはずだ。「Nature」で、なぜバラバラにならないかを説明する理論が提案された。

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テネシー大学の研究者たちは、危険なまでに地球の近くの軌道を回っているある大きな小惑星の組成と、その物理的性質との確定に成功した。

非常に速い速度で自転しているこの隕石は破片やクズで形成されているが、非常に堅固に結びついていて、表面から剝がれ落ちることがない。

「Nature」に掲載されたばかりのある研究によると、「1950 DA」として知られる小惑星は、「ファンデルワールス凝集力」によって保たれているようだ。そして初めて、この種の相互作用が隕石において必要不可欠であることが明らかになった。

可能な説明はほかに見つからなかった。というのも1950 DAの自転は、2時間6分ごとに完全に1回転する周期となっているが、通常用いられる重力のみを考慮するモデルによると、遠心力が小惑星をバラバラにするのを回避できる自転周期の最小限は、2時間12分だからだ。

科学者たちはサーモグラフィーや軌道モデルを分析し、小惑星の赤道上に置かれた物体が、ネガティヴな重力を受けるであろうことを突き止めた。つまり、遠心力が重力よりも強力になったとき、物体は宇宙へと投げ出されるというわけだ。

約300分の1の確率で地球に衝突する?

1950 DAは、2002年にすでに有名になっていた。このとき天文学者たちは、全長1.3kmのこの塊が2880年までに約300分の1の確率で地球に衝突すると予告した。現在は新たな観測によりリスクがさらに見直されて、その確率は2万分の1と推定されている。

衝突の確率が非常に低いとはいっても、1950 DAは天文学者たちを心配させてきた。地球との衝突が引き起こすであろう莫大な被害のためだ。1950 DAは大きいだけでなく、速度も非常に速い。そして2.2年ごとに太陽の周りを回る軌道を1周する。

小惑星の形状を保っているのが何であるかを知ることは、わたしたちの惑星との将来の衝突を未然に防ぐための戦略を最適化するのに役立つ。もし小惑星がファンデルワース凝集力で保たれているならば、隕石の完全な崩壊を引き起こして無害化するのに、小さな衝撃で十分だろうから。

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