福建省福州市内で18日午前9時半ごろ、斎場に到着する直前の霊柩車内の後部で爆発が発生した。運転手は「いつものこと」と思い走行を続けた。火の手が回り霊柩車は全焼した。中国新聞社などが報じた。

 45歳男性の鄭さんは、霊柩車を運転する仕事をしている。中国ではやや大型のワゴン車を霊柩車として利用するのが一般的だ。自動車後部には、遺族も乗り込む。

 鄭さんは18日午前9時ごろ、普段と同じように霊柩車を運転していた。斎場の少し手前で、車両の後部から「バン!」という爆発音が聞こえてきた。鄭さんは「いつものように、遺族が爆竹を鳴らしたのだろう」と思い、意に介さず運転を続けた。

 しばらくして遺族らが「煙が出ている!」と騒ぎ出した。驚いた鄭さんは、車を停めた。車両前部からは鄭さんが、後部からは遺族らが飛び降りて逃げた。その後、霊柩車は火に包まれた。駆け付けた消防が消火作業にあたったが、車は全焼し、「鉄枠だけが残った」という。

 鄭さんによると、爆発・炎上した霊柩車は6年前に購入したもの。電気回路が老朽化して、ショートした可能性が高いという。

 同爆発で死傷者は出なかった。

 同事故を調べた警察は、「暑い季節には、自動車の日ごろの手入れに注意してほしい。車内に可燃性のを放置しないでほしい。ライターや携帯電話の電子などが日光にさらされると、簡単に爆発する」と、ドライバーに注意を求めた。

 中国では、爆発など事故が多発している。そのため、地下鉄内のちょっとした異変で乗客がパニック状態になり出口に殺到しするなどの事態も、しばしば発生している。(編集担当:如月隼人)