リトルリーグ・ワールドシリーズレポート(3)

 リトルリーグ・ワールドシリーズ(※)で日本代表の東京北砂リトルリーグはアジア・パシフィック代表の韓国に2−4で敗れ、日本時間8月22日に行なわれるメキシコ代表との敗者復活戦に回ることになった。
※米国内8チームと世界各地の代表8チームの計16チームが出場し、毎年8月、米国ペンシルベニア州ウィリアムズポートで開催される。選手の年齢制限は4月30日の時点で9歳〜12歳。

 日本の先発は、初戦のベネズエラ戦で6回を1安打無失点、14奪三振の快投を見せた高橋卓央(13歳)。前回同様、3者三振という素晴らしい立ち上がりを見せ、3回途中まで8者連続三振と韓国打線を圧倒した。しかし、振り逃げでこの日はじめて走者を許すと、二死一塁から1番のチェに特大の2ラン本塁打を浴び、先制を許してしまう。

 日本も直後の3回裏、この回先頭の1番・金森優が死球で出塁すると、2番・上島颯人の二塁打で無死二、三塁と絶好の好機を作った。3番の竹内廉はピッチャーゴロに倒れたが、4番・冨田進悟がセンターへ犠牲フライを放ち1点差。さらに、5番・高橋の打席で相手投手が暴投し、三塁走者の上島が生還。すかさず同点に追いついた。

 その後、韓国は継投で踏ん張り、日本も4回からマウンドに上がった金森の好投で試合は2−2のまま最終回の6回に入った。

 そして6回表、韓国の攻撃。日本は、今大会ここまで2本塁打を放っている韓国の3番・フワンにソロ本塁打を浴び勝ち越しを許すと、さらに1点を追加され2点のリードを奪われてしまう。その裏日本は、二死から9番・橋口太郎が内野安打で出塁するも、1番の金森がセンターフライに倒れ試合終了。

 ピンチを招いても「ケンチャナヨ(大丈夫)!」とコールを送り続けていた三塁側スタンドの韓国応援団が勝利に歓喜する中、3回2/3を投げ2安打2失点(自責0)10奪三振と力投した高橋らは、リトルリーグの聖地ラマディ・スタジアムのフィールドで悔し涙を流した。

 一塁側ダグアウトで選手たちを集めた日高淳二監督は、「(選手たちには)負けて悔しいという気持ちがあるのであれば、(負けなしの)ストレートで5試合やるよりも、1試合多く、この素晴らしいスタジアムでできるのだから、明日勝って、楽しもうよ」と語った。

 試合後、記者会見場に現れた日高監督は、勝敗のポイントについて「2本のホームランです」と分析。そして「それ以外は投手がしっかり抑えていたし、配球もよかった。打った韓国のバッターが素晴らしかったということ。しっかりタイミングを取って、ストレートをとらえていた」と相手を称えた。

 もう負けられなくなった日本は敗者復活戦でメキシコと戦う。この試合に勝てば決勝進出をかけ、再び韓国と対戦することになる。ライバル韓国に敗れたとはいえ、まだ日本勢3連覇の道は閉ざされたわけではない。

Japan 2−5 Korea
KOR 002 002|4
JPN 002 000|2

【リトルリーグ・ワールドシリーズ】
世界各地にあるリトルリーグチームが地域や国内のリーグ戦やトーナメントを戦い、勝ち残ったわずか16チームがワールドシリーズに出場できる。今年で68回目を迎えるリトルリーグ・ワールドシリーズは毎年8月、リトルリーグ発祥の地、米国ペンシルベニア州ウィリアムズポートで開催される。

【出場チーム】
米国内8ブロックから勝ち上がった8チームと、日本、アジア・太平洋、カナダ、メキシコ、カリビアン、ラテンアメリカ、オーストラリア、ヨーロッパ・アフリカの8つの国際ブロックから勝ち上がった計16チームが出場。今年の日本代表は、2001年(優勝)、2007年(準優勝)、2012年(優勝)にも出場している東京北砂リトルリーグ。

【選手の年齢制限】
4月30日の時点で9歳〜12歳であれば出場可能。つまり、5月以降の生まれであれば13歳(日本なら中学1年生)でも出場ができるということになる。ただし、2018年からは『12月31日』に規定が変わることが決定した。近年では13歳で身長170センチを超える選手も多く、球速75マイル(約120キロ)前後のストレートを投げる投手も少なくない。また、金属バットの反発係数は年々上昇しており、バッテリー間14メートル程のサイズでプレイするには危険ではないかという意見も飛び交っていたことが出場資格年齢変更の理由と考えられる。

【大会レギュレーションと投手の球数制限】
かつてはサッカーW杯のように4チームで予選リーグを戦い、上位2チームが決勝トーナメントに進めるという方式をとっていたが、2011年からは『準決勝までは2試合負けない限りは戦い続けることができる』ダブル・エリミネーション方式に変更となった。どのチームも初戦は日程も相手も決まっているが、2戦目以降は流動的になる。世界一までの最短コースは負け知らずの5戦5勝。初戦や二戦目などで敗れたとしても、7戦6勝で世界一までたどり着くことが可能だが、球数制限や休息日が設けられている投手の起用法ややりくりが大変になってしまう。リトルリーグにおける投手の球数制限、休息日は以下のように定められている。
・ 66球以上投げた場合は、4日間の休息が必要
・ 51〜65球を投げた場合は、3日間の休息が必要
・ 36〜50球を投げた場合は、2日間の休息が必要
・ 21〜35球を投げた場合は、1日の休息が必要

【日本代表・東京北砂リトルリーグベンチ入りメンバー】
1.西川新(にしかわ・あらた)/13歳/右投左打
2.駒場優太(こまば・ゆうた)/11歳/右投左打
3.橋口太郎(はしぐち・たろう)12歳/右投左打
5.冨田健悟(とみた・けんご)/12歳/右投右打
6.上島颯人(うえしま・はやと)/13歳/右投左打
7.平野啓介(ひらの・けいすけ)/12歳/左投左打
8.冨田進悟(とみた・しんご)/12歳/右投左打
9.三ツ井龍馬(みつい・りょうま)/12歳/右投右打
10.金森優(かなもり・すぐる)/13歳/右投右打
12.鎌田正蔵(かまた・しょうぞう)/12歳/左投左打
13.横山弥夢(よこやま・ひろむ)/13歳/右投右打
14.藤松丈一郎(ふじまつ・じょういちろう)/13歳/左投左打
18.高橋卓央(たかはし・たくま)/13歳/右投右打
22.竹内廉(たけうち・れん)/13歳/右投右打

カルロス山崎●文 text by Carlos Yamazaki