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地球温暖化問題の対策として、家庭のエネルギー消費を減らすことが急がれる中、高性能な省エネ型ガス給湯・暖房機等が続々と登場している。

その普及にあわせて植樹活動をする「ブルー&グリーンプロジェクト」ではこのほど、東日本大震災で流失した名勝「高田松原(岩手県陸前高田市)」の再生活動の支援が開始された。

省エネ型ガス機器や同プロジェクトについて、日本ガス体エネルギー普及促進協議会事務局の一般社団法人日本ガス協会の富岡繁さんと、一般財団法人ベターリビングの堤雄大さんに話を聞いた。

○家庭のエネルギー消費量を抑えるために

増え続ける日本の二酸化炭素(CO2)排出量に警鐘が鳴らされ始めて久しい。特に増加が顕著な一般家庭のエネルギー消費を減らしていくことが課題となっている中、普及の期待が高まっているのが、高効率給湯器「エコジョーズ」だ。

「従来の給湯器はバーナーで燃やした熱を利用して水をお湯に変える部分は1つしかなかったのですが、『エコジョーズ』は二次熱交換器というものを導入して2つに増やし、今まで排気として捨てていた熱をもう一度回収して機器の効率を高めた潜熱回収型の給湯器です。これにより、今まで80%程度だった熱の効率が95%くらいまで上がりました。給湯器を変えるだけで省エネも図ることができ、CO2の削減につながります」(富岡さん)

家庭のエネルギー消費のうち約30%の割合を「給湯」が占めていることから、日本ガス体エネルギー普及促進協議会では「エコジョーズ化宣言2013」を掲げ、ガス給湯器を「エコジョーズ」に標準化する運動を行ってきている。現在は年間90万台ほどのペースで「エコジョーズ」が出荷されており、年々出荷台数は増えているという。

「消費者へのキャンペーンや施工側への教育、また、普及拡大のための技術面でも進歩しながら、2013年の3月末までに国内で新たに設置されるガス給湯器をエコジョーズ化していこうという取り組みを行ってきました。現在普及台数は460万台を超えましたが、『エコジョーズ』をより多くの方に選択していただくよう、2020年までに2,000万台の普及を目指して継続して活動していきます」(富岡さん)

「エコジョーズ」は省エネなだけでなく、ランニングコストが安く家計の負担を減らすことができるので、利用者にとっても非常にメリットのある製品だ。ここでちょっと覚えておきたいのは、メーカーごとに製品名が異なるのではなく、複数社が共通のブランドとして「エコジョーズ」という名称を使用していること。

「省エネ機器が普及すると、正直に言ってガスはたくさん売れなくなってしまいます(笑)。しかし、環境問題へ対応しなければならないこと、そして省エネが当たり前の時流にあって、このような製品を普及していくことは業界としての社会的使命なんだと思っています」(富岡さん)

「そのような共通の思いが、ひとつのブランドを共有しているゆえんなのだと思います」(堤さん)

○環境保全に一役「ブルー&グリーンプロジェクト」

「エコジョーズ」のほか、発電と給湯ができるガスコージェネレーションシステム「エネファーム」「エコウィル」など、従来製品に比べてCO2排出量を抑えられる製品の普及とともに、植樹活動を支援する取り組みがある。一般財団法人ベターリビングが主催する「ブルー&グリーンプロジェクト」だ。"ブルー"はガスの炎を、"グリーン"は森林をイメージしている。

「2006年6月から今年の3月までは第一ステージとして、省エネ性の高い対象機器1台の普及につき1本の植樹活動をベトナムで行ってきました。プロジェクトの活動を通して、省エネ機器の普及と森林増加によるCO2の削減や、また、植樹地域での林業雇用の創出による地域住民の生活水準の向上に役立てたことも嬉しく思っている」(堤さん)

機器の普及と植樹した樹木の成長により、年間約105万トンのCO2削減効果があがった。日本の一般家庭の年間CO2排出量は約5万トンといわれており、20万世帯あまりの年間CO2に相当する量だ。

「もちろん木を植えることも大事ですが、樹木の成長によるCO2吸収量よりも、対象機器の普及によるCO2削減効果のほうがはるかに大きい。省エネ機器の普及の大切さをあらためて感じています」(堤さん)

そしてこのほど、植樹活動の拠点を日本に移して第二ステージが始動した。東日本大震災により流失してしまった名勝「高田松原(岩手県陸前高田市)」(※)で、「高田松原を守る会」などの市民による再生活動の支援を行っていくという。※現在、岩手県が再生に向けた整備を進めており、再生予定地の一部に、市民による植栽・保育エリアの設定が検討されている。

「陸前高田市は、今まさに支援が必要とされている土地だと考えました。現地の人とのコミュニケーションを大切にしながら、失われてしまった自然環境・文化的景観の再生を支援していきたいと思っています。市民の方々はもちろん、対象機器を購入した方々とも、そうした想いや価値観を共有していきたいです」(堤さん)

なお、第二ステージでの植樹活動は、機器1台につき1本の植樹ではなく、育苗、試験植栽、本植栽、保育など市民活動全般へのサポートを行っていくという。本植栽は2017年を予定している。今後の活動に注目したい。

(二ッ屋絢子)