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「まずはフライパンにオリーブオイルを入れて…」「次にオリーブオイルを少々…」と、多くの料理番組や雑誌で目にする機会も増えたオリーブオイル。一口にオリーブオイルと言っても、実はその製造方法などで名称や性質が変わるのをご存じでしょうか。

最近は、調味料や油にもこだわる人が増えています。こだわるべき点をしっかりと把握してこそ、「通」です。表示ラベルからオリーブオイルの"真実"に迫ってみましょう。

○ピュア? バージン? エクストラバージン?

オリーブオイルは、加熱処理や溶媒抽出などを用いなくても、ただ単にオリーブの果肉を絞るだけで油が採れるという非常に変わった植物油です。成分の変性が少なく、生のオリーブの香りなどの成分が油の中に閉じ込められています。それゆえ、オリーブオイルのことを「オリーブジュース」と呼ぶのも、あながち間違ってはいません。

オリーブオイルを購入する際、「●●オリーブオイル」と接頭語が付いていることに気づく人も多いかと思います。具体例を挙げるなら、「バージンオリーブオイル」「エクストラバージンオリーブオイル」「ピュアオリーブオイル」「精製オリーブオイル」などです。さて、ここで質問です。一体、どのオリーブオイルが最も良いのでしょう?

○風味を作り出す酸度の含有量がカギ

実は正解はありません。どのオリーブオイルが良いというのは、利用方法によって変わってくるからです。

一般的に「バージンオリーブオイル」と名前が付くものは、オリーブを圧搾することによって得られます。風味を作り出す酸度の含有量で、「エクストラバージン」「バージン」「オーディナリーバージン」と名前が変わります。

オリーブオイルを加熱せずに、パンなどに付けたりカルパッチョなどを作ったりする場合は、「エクストラバージンオリーブオイル」を選ぶべきです。オリーブオイルの風味を生かしたい際には適していますが、生に近い成分であるため、賞味期限は短めです。開封後はできるだけ冷蔵庫で保存し、手早く使い切らないとどんどんおいしさが失われていきます。

○「精製」+「バージン」=「ピュア」

そこで、グレードの低いオリーブオイルを精製することで純度を高めた「精製オリーブオイル」というものが作られたわけです。「精製オリーブオイル」は石けんの材料に用いられるほか、肌に塗る保湿剤としても薬局などで売られています。しかし「精製オリーブオイル」は純度が高すぎるため、風味がまったくありません。

そこで、「バージンオリーブオイル」ないしは「オーディナリーバージンオリーブオイル」を添加して、酸度を調整したものが「ピュアオリーブオイル」になるというわけです。「ピュアオリーブオイル」は、生の風味こそ「エクストラバージンオリーブオイル」に劣りますが、劣化に強いため、加熱調理にはこちらのほうが向きます。揚げ物などには安くて安定した「ピュアオリーブオイル」を使い、生食には「エクストラバージンオリーブオイル」を選ぶようにするのがお勧めです。

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○筆者プロフィール : くられ

『アリエナイ理科ノ教科書』(三才ブックス、シリーズ累計15万部超)の著者。全国の理系を志す中高生から絶大な支持を得ており、講演なども多数展開している。近著に『ニセモノ食品の正体』(宝島社)などがあり、2014年7月17日に新たに「薬局で買うべき薬、買ってはいけない薬 よく効く! 得する! 市販薬早わかりガイド」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を上梓した。メールマガジン「アリエナイ科学メルマ」やツイッターなどで、日々に役立つ話を無料配信している。

(くられ)