U-19日本代表が参戦したSBSカップ。アジア選手権へ向け、収穫と課題の両面が見えた大会となった。(C) SOCCER DIGEST

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 4大会ぶりのU-20ワールドカップ出場を目指す日本にとって、勝負の時がいよいよやってくる。10月7日から24日までミャンマーで開催されるU-19アジア選手権はU-20W杯の予選を兼ねている。日本は、内田篤人(シャルケ)や槙野智章、梅崎司(ともに浦和)、森島康仁(川崎)らを擁してベスト16入りした2007年カナダ大会以来、U-20W杯の出場を逃している。本大会出場には、アジア選手権で4位以内に入ることが条件だ。
 
【U-19日本代表】SBSカップでの奮闘(2014.8.14〜17)

 極東に位置する日本が強豪国との距離感を肌で感じながら選手を育成するには、真剣勝負の国際舞台はとりわけ貴重な機会だ。日本は1996年のアトランタ五輪以来、五輪では出場権を逃していないが、2年後に五輪の主力を担う存在となるU-20世代の大会では、アジアでも劣勢を強いられて久しくなる。
 
 それゆえ、予選敗退を重ねるにつれ、今後の日本サッカーの行く末に警鐘を鳴らす声も大きくなっている。
「日本がいずれワールドカップ予選を突破できない時が来るのではないか」と。
 
 事実、日本代表のワールドカップ出場の歴史は、このU-20世代のアジア予選突破の歴史とピタリと重なり合うのだ。1994年のU-19アジア選手権で、日本は中田英寿、松田直樹らを擁して初めて自力でのワールドユース(現U-20W杯)出場を勝ち取り、以後7大会連続で世界への扉を開くと、それを追うようにA代表も1998年フランス大会から2014年のブラジル大会まで5大会連続のワールドカップ出場。日本サッカーの強化を語るうえで、U-20W杯は五輪とともに不可欠な大会とみなされてきた。
 
 その出場権獲得に、日本はここ3大会連続で失敗している。08年は、主軸と期待された香川真司(マンチェスター・ユナイテッド)がA代表のテストマッチを、金崎夢生(ポルティモネンセ)が所属していた大分でのナビスコカップの決勝をそれぞれ優先し、ベストメンバーを組めないまま日本は準々決勝で韓国に0-3の完敗。続く10年は、宇佐美貴史(G大阪)を擁しながら、出場権が懸かった準々決勝で、またもや韓国に3-4の逆転負けを喫したのだった。
 
 12年の前回大会は、グループリーグ初戦でイランに0-2の黒星スタート。続くクウェート戦では岩波拓也(神戸)のゴールで1-0と競り勝ち、UAEとの最終戦を0-0のドローとして、グループを2位通過。苦しみながらも再び出場権を懸けた準々決勝へ漕ぎ着けた。しかし、日本はここでもイラクを相手に、先制を許し一度は追いつきながらも地力の差を見せつけられ、1-2の敗戦。大会を制した韓国やA代表のライバルでもあるオーストラリアが、この3大会を落とさずに予選通過しているのとは対照的な結果となった。
 今回のU-19アジア選手権に挑む日本を率いるのは、2002年に磐田をJリーグ王者に導いた経験を持つ鈴木政一監督だ。日本のU-19年代の監督にJリーグで確固たる実績を残した指揮官が就任したのは事実上初めてのことだ(※99年にはA代表兼任でフィリップ・トルシエがU-20日本代表を、01〜03年にFC東京を率いた大熊清がU-18〜20日本代表を率いている)。
 
 またヤマハ発動機時代からコーチングスタッフを経験し、磐田でも監督だけでなくフロント業務や育成年代の強化に携わるなど、多様な視点を持つ59歳の抜擢には、気鋭の青年監督を登用する傾向にあったこれまでの日本協会の人選とは一線を画す、明らかな変化が見て取れる。
 
 その鈴木監督が、昨年U-18日本代表としてチームを立ち上げて以来、キーワードとして掲げてきたのが「判断力」だ。結果だけでなく、A代表への選手供給という使命も負うこの年代の指導には、プレー判断の向上が不可欠と考えているのだ。
 
 8月14日から17日まで静岡県内で開催されたSBSカップでは、U-19コロンビア代表、U-19韓国代表、静岡ユースと対戦した。力のある3チームとの激突は、本番前の格好の予行演習の場となったが、結果は1勝(PK勝ち)2敗(1PK負け)、内容的にも前途多難を予感させるものだった(※下記に結果)。
 
 とくに、U-19アジア選手権で同グループに入った韓国には、球際やフィジカル面での個の力の差を見せつけられ、2-2に追いつく粘りは見せたもののPK戦で敗れた。2か月後の本番に向けて危機感が募る結果ではあるが、一方でライバルの現状を把握できたことはプラス材料になったとも言える。
 
 また、この大会では南野拓実(C大阪)や松本昌也(大分)、宮原和也(広島)、関根貴大(浦和)といった主力が招集されておらず、本番には上積みが期待できる面もある。ただ、南野に関しては、現在リーグ戦で降格圏に沈むC大阪がこのまま残留争いに巻き込まれれば、クラブが大会参加を快諾するか分からない。
 
 不安材料を探し始めればキリはないが、それでも困難を逞しく乗り越え、長く閉じていた世界への扉を開けなければ、日本サッカーの明るい未来も描けないはずだ。4大会ぶりのU-20ワールドカップ出場へ、U-19日本代表の躍進を期待したい。
 
SBSカップ/U-19日本代表の結果
8月14日(木)
vs U-19コロンビア代表
●0-1
 
8月15日(金)
vs 静岡ユース
○1(4PK2)1
 
8月17日(日)
vs U-19韓国代表
●2(4PK5)2
 
最終順位
1 U-19コロンビア代表
2 静岡ユース
3 U-19日本代表
4 U-19韓国代表