[SBS杯国際ユース大会]U-19日本代表は韓国にPK戦で敗れる

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[8.17 SBS杯第3戦 U-19日本代表 2-2(PK4-5)U-19韓国代表 草薙陸上]

 U-19日本代表は「2014 SBS杯国際ユースサッカー大会」(静岡)大会最終日の17日、U-19韓国代表と戦い、2-2で突入したPK戦の末、4-5で敗れた。日本は1勝2敗の3位。優勝は3戦全勝のU-19コロンビア代表で静岡ユース(U-18静岡県選抜)が2位、U-19日本代表が3位、U-19韓国代表が4位で大会の幕を閉じた。

 10月のU-20W杯アジア最終予選に当たる、AFC U-19選手権ミャンマー2014の1次ラウンドでも対戦するライバルに勝つことができなかった。それも相手は1次予選のメンバーのほとんどを欠いた大学生中心の陣容。日本は幸運なPKで追いついたものの、ハードワークする姿勢、球際の激しさで下回り、一時ポゼッションで圧倒されるなど、内容的には非常に厳しい試合だった。過去2試合の内容が芳しくなく、最終戦をいい形で終えたかったが、黒星で終戦。4日間で3試合目というハードスケジュールによる疲労があったことは間違いないが、主将のCB三浦弦太は「(大会を通して)あまり良くはなかったなという部分が多くて、個人としてはコロンビアだったり、いろいろなサッカーを体験できたことは良かったですけど、チーム自体は個人個人もっといいパフォーマンスを出せたと思いますし、もっと質の高いサッカーができたと思う。(今後へ向けて)気を引き締めるという意味では良かった。チーム全員が自分のたちの国を背負っているということに対しての責任感のあるプレーがまだまだ少なかったと思う。自分もそうですけど意識を高くして、質の高いサッカーをしていきたい」。日本もFW南野拓実らJリーグで出場を続ける主力数人が不在だったが、それでも「このままではいけない」と痛感させられる大会だった。

 4-2-3-1システムの日本はGKが中村航輔、4バックは右から石田崚真、中谷進之介、三浦弦太、内田裕斗の並び。中盤は川辺駿と大山啓輔のダブルボランチで右が坂井大将、左が金子翔太。前線は越智大和の後方に高木大輔が構える形だった。出足は良かった。4分、大山の展開から左サイドへ開いた越智が落とし、これを受けた金子が右足ミドル。ボールがテンポよく動き、越智中心に前線のコンビネーションも良い日本は8分に早くも先制点を奪う。左SB内田が斜めに楔を入れると高木がタイミング良くスルー。中央で前を向いた金子が仕掛けから右前方へラストパスを出すと、坂井が右足で先制点を叩き込んだ。

 流れるような攻撃でリードを奪った日本の攻勢が続く。相手のプレッシャーがかからず、自在にボールを動かす川辺を起点に攻撃。14分には金子とのワンツーから越智が右足シュートを放つ。これはGKの好守に阻まれたものの、前半半ばまでは明らかに日本の流れだった。ただ25分の給水タイム後に日本は主導権を手放す。韓国が26分にMFソル・テスを投入し、4-4-2から4-2-3-1へチェンジすると、日本は韓国のプレスにハマるようになり、また最前線のFWキム・ゴニを起点にサイドを広く使った韓国の攻撃の前に日本は個々の距離感を広げられて連動した守りができなくなった。そしてプレスに行くものの、1対1で局面を打開された日本は前半の残り時間のほとんどで韓国にボールを握られてしまい、ボールを奪ってもすぐロストしてしまうシーンの連続。全くPAへ近づくことができなくなった。

 流れの悪い中、日本は31分に左サイドを完全に崩されてFWファン・フィチャンに決められると、38分にも遅攻からテンポアップした韓国の攻撃にDF間を割られて抜け出したMFキム・ヒョンウクに勝ち越し点を献上してしまう。後半も11分にセットプレーから決定機をつくられた。ただ「後半、もう一度スイッチを入れ直そうということで攻撃的なサッカーというところをもう一度再確認して全員でやろうということで気持ちを入れて戦えたので、その点は前半より改善できた」(三浦)という日本は後半、左サイドに入った高木の献身的なプレスバックやボランチへ移った坂井や交代出場のMF鈴木徳真らの奮闘で守備が少しずつ改善。それでも攻撃は後ろに重くいい形の崩しをすることができない。10分には相手のミスをインターセプトした越智のパスから金子が右足で決定的なシュートを放ったが、ブロックされてしまう。ただ、停滞感の流れていた試合を「ディフェンスラインだけで回していても点取れへんと思ったし、流れ変えないといけないと思ったので、ガツガツガツガツ仕掛けて、自分らしく行くようにしました」という内田が変える。

 内田は23分に独力で左サイドを切り裂いて左足シュート。27分にも楔のパスを出すと見せかけて左サイドを突破してシュートを打ちこむ。それまでチームにドリブル突破という選択肢がほとんどない中、「相手の方がハードワークで来ていた。自分からアクション起こしてドリブルだったり、守備でもガツンと行くことでチームを引っ張ることができたらいいと思った」という内田のがむしゃらなプレーがチームに流れを引き寄せる。そして29分には内田が倒されて得た左FKを金子が横へずらし、坂井がPAへ入れるとDFに押し倒される形となった中谷がPKを獲得。非常に微妙な判定ではあったが、同点機を迎えた日本は大山が冷静に右足でゴールへ流し込んで2-2に追いついた。

 終盤は守備でも球際での厳しさの出た日本。勝利への執念は見られたが、39分のFW諸岡佑輔投入も勝ち越しゴールは生まれず。PK戦では1人目の金子のシュートが止められると、韓国に5本全てを決められて4-5で敗れた。鈴木政一監督は今大会の収穫として「鈴木はいいバランスをとってくれた。坂井もそうですけど」とU-17世代の新戦力がまずまずのプレーを見せたことや韓国、コロンビアのスピード、強さを体感できたことを挙げたが、残された時間が少ない中で4大会ぶりの世界切符獲得へ向けてやらなければならないことは少なくない。

 三浦は「球際だったり、韓国のチームの方が強さがあった。(1失点目も球際で負けたことから生まれたため)一個一個ちょっとしたミスかもしれないですけど、やっぱりそこが勝敗にかかわってくると思うのでプレー面ももちろんですけど、気持ちをもっと前面に出していければいいと思います」。勝つためには個々の戦う姿勢や1対1で負けないことも重要。それを再確認した日本は今大会欠けていた日本を代表するという責任感と危機感を持ち直して10月のアジア最終決戦へ臨む。

[写真]U-19日本代表は前半8分に坂井のゴールで先制も・・・

(取材・文 吉田太郎)