ゆるキャラ界で今や別格の存在感を放つ、「ふなっしー」。ふなっしーファンとして有名な弁護士の大渕愛子さんに、女性が惹かれるその魅力について伺いました。

>>【前編はコチラ】なぜ女は“ふなっしー”にハマるのか? 大渕愛子弁護士が語る、大人女性の心をつかむ「奥深い魅力」とは

以前は「サイボーグ」と呼ばれるほど、仕事で気を張っていた

――ふなっしーに出会って、大渕さん自身に変化はありましたか?

大渕:私は弁護士になって9年間大きな事務所にいて、その後独立をしました。経営者という役目も負うようになってからは、責任がケタ違いに。24時間仕事のことを考えている、プライベートとのオンオフのない生活になりました。うまく消化していたつもりだったのですが、“声にならない苦悩”があったようにも思います。そんな中でふなっしーに出会って、そうしたしんどさが、うまく身体に吸収されて溶けていくような感覚を味わいました。「そんなにキリキリやらなくてもいいんだよ、もっと自然体でいいんだよ」と言われている気がして、気を張っていた部分がほどけた感じです。

以前は感情の起伏も少なく、仕事で根を詰めてばかりで、「サイボーグみたい」と言われることもありましたが、今はふなっしーを応援しているだけでテンションが上がってよく笑いますし、喜怒哀楽の感情が豊かになりました。「以前と比べると、別人みたい」と言われることもあります(笑)。ふなっしーのお陰で、仕事にも以前よりもっと精力的に取り組めていますね。

――ふなっしーが働く女性を癒してくれる理由はどこにあると思われますか?

大渕:私の場合をお話しますと、女性弁護士はそれだけで頼りないとか弱そうとか思われたり、「何ができるの?」という目で見られたりすることもあります。でも「女性だからこそ、わかる悩みや気持ちもあるはずだ」と思い、「ゆっくり話を聞いて、依頼者の心に寄り添う法律事務所を目指そう」と決めて独立をしました。とは言うものの、ふと「自分はこのままでいいのだろうか」と不安になることもあります。でもふなっしーを見ていると、「大丈夫、自分の信じた道を一生懸命がんばろう!」と思える。そんな風に励まされている女性ファンもいるのではないでしょうか。

少しくらい世の中からはみだしたって、めげない勇気を与えてくれる存在

――世の中や他人の価値観から自由になれる、ということですね。

大渕:そうですね。私は幼い頃から、「こうあるべき」と強制される、画一的な教育には反抗してしまう子どもでした。正解を与えるだけの「○×教育」は無意味だと思うんですよね。失敗を怖れる性格になってしまい、自分なりの考え方ができる子どもが育ちません。少しでも周囲に「変わっている」と思われる子は、はみ出してしまいますしね。

ふなっしーは、「すべての人に評価や理解を求めると気が病むよ」「多少ダメな奴だと思われているくらいが丁度いい」といった発言もしていますが、周りからちょっと“はみだした”経験がある人から、特に共感を得ているのかもしれません。少しくらい世の中からはみだしたって、めげない、くじけない--。そんな勇気を与えてくれる存在ではないでしょうか。「見た目が可愛い」「少し変わっていて面白い」というだけではない、ふなっしーの奥深い魅力がもっと皆さんに広まってほしいです。これからもできる限り精一杯、応援していきたいと思います。

(外山ゆひら)